rubidium-37’s blog

やりたいことしかやらん

2022年秋アニメ 個人的総決算 後編

 どうも、ルビジウムと申す者です。前編から結局1ヶ月以上空いてしまい、既に3月も終わりにさしかかり、2023年冬アニメすら最終回を迎えつつありますけど、超今更ながら2022年秋アニメ感想の後半戦ということで、個人的な感想・評価を述べていきたいと思います。というか単純に自分が視聴したアニメの記録としてこれ書いておかないと記憶を思い返すのすら困難になるのでいくら時間がかかっても完成はさせる心意気ではあったりします。ちなみに前半は以下にリンク付けとくのでこちらを先に読んでもらうことをオススメします。

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前書き

 後編では評価A~Sまでの作品について書いていきます。特に評価Aとかの辺りになるとかなり甲乙付けがたい感じであり、横一線ってラインの作品群もありますが、基本的に後に名前が出てくる方が評価が高いと考えてください。あといつも書いていますが、あくまでも「アニメという媒体」として見た時の個人的に付けた評価なので、原作だともっと良いとか、公式とか作者の解説を見ながらだと理解が深まり面白くなるとかそういうことは一切考慮していないということを理解した上で読んでもらえると幸いです。

ちなみに「異世界おじさん」については制作の都合等で2022秋クールにリスタートするという形になったので今回の集計対象の作品としてカウントしましたが最終回だけはまた延期という形になってしまっているので12話までの評価として、最終回は半年に1回の頻度で出してる番外編の方でやりたいと思ってます。

 

 というわけでここからは本編ですのでネタバレ等もあるので注意してください。(23年冬クール以降に続く作品に関しては22年秋クール時点での暫定評価です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A(80~89点)

シャドウバースF(第3クール)

第1・2クールをリアタイで追いかけてなくて普通に放置してる状態が続いていましたが、ここにきてようやく追いついたので第3クール終了時までの感想をまとめて書いていきます。

本格スマホカードバトルのキャッチコピーでお馴染みのシャドウバースを原作としたアニメで、前作のシャドウバース(無印)のアニメの続編に位置する作品です。前作から3年後を舞台に新主人公の天竜ライトを中心とした物語が展開されていきます。

第1クール終了時までの評価としては様子見という部分もありBという位置になっていましたが、第2クールにて一気にギアが上がり作品の面白さも増し増しになったので、最終的に第3クール終了時現在の評価はAとなっています。

天竜ライトは全くのシャドバのド素人でありながら運命に導かれ「シャドバカレッジ」に転入することになります。なので、ライトへの指導という展開も兼ねてシャドバのルールの再確認や無印アニメでは登場しなかった要素をしっかりと解説してくれているのもカードバトルの要素を理解する助けになっているので好印象でした。加えて、前作主人公のヒイロと異なり対戦で敗北を喫することもしばしばなのでそこからライトがどのように成長するかという展開も見どころですね。ちなみにヒイロはシャドバ界最強の7人で構成された団体「セブン・シャドウズ」の中でも最強の扱いになってます。(そりゃバトルに敗北しないんだから当然かもしれないですけど…)

第2クール以降で評価が上がった1番の要因としては前作キャラの使い方が非常に上手いことでしたね。黒羽アリス、天宮ミモリらの前作主要キャラを始め、かつてヒイロらと対戦した数々の強敵たちがライトや「セブンスフレイム」の仲間たちの前に立ちはだかる壁として、あるいは強力な助っ人として登場するのがホントにアツい作品となっています。

また本作のメインとなるキャラクターたちも前作に負けず劣らず個性があって非常に魅力的なのもポイント高いですね。特にレン・シノブ・ツバサの女子3人組ってホントに絶妙なバランスで成り立ってて素晴らしいです。ジェントルマンの中身がシノブとかいう萌え萌えだって明らかになった時ホントにデカい声出ましたし。第3クール以降のED映像でもこの3人にスポットが当たっていますしめちゃくちゃ良い感じとなっています。

第3クール終了時の展開としてはセブン・シャドウズに挑むことができる上位7人のプレイヤーを決める大会が開催が宣言され、ライトたちも参加を決意するところで終わりましたが、いよいよセブン・シャドウズが本格的に物語に関わってきそうな雰囲気のワクワク感を演出してキリ良く年越しを迎えたのは素晴らしいな〜って思いました。

この作品ってやってることはかなり「遊☆戯☆王GX」の内容に近いな〜って思ってるんですけど、カードゲームアニメの続編のお手本をしっかりとなぞってくれているので普通に好印象でした。ホントに赤尾でこ様ってアニメ業界の一流シェフすぎる。

 

異世界おじさん

2022年夏クールはコロナの影響で放送途中で延期となってしまい、秋クールに持ち越されていました。そのせいもあって放送枠も明らかに前よりも深い時間帯に追いやれられてしまい、結果として話題性という面では夏ほどのものはなかったなというのが素直に勿体なかったな〜と思います。

内容としては異世界転生したおじさん(転生した当時は20歳くらい)が17年振りに現実世界に帰還し、異世界で身につけた魔法の力を甥のたかふみに見せつけ、感銘したたかふみはおじさんの能力を活かしYouTuberとして生計を立てることを画策し、おじさんと共にシェアハウスをします。そして、おじさんから異世界での生活を聞くことになりますがそれはおおよそ夢にまで見た異世界転生物のそれとは様子が違うということが語られるといった内容です。

ジャンルとしては異世界ギャグというところではありますが、異世界でのエピソードはあくまでもおじさんが経験したことの過去の回想であるという作りは結構面白いなと感じました。回想エピソードを映画感覚で鑑賞しつつ、現実からツッコミが入ったりっていうのって明らかにバラエティ番組の某相席食堂と同じ形式な感じしますけど、作品としてこの形式を上手く取り入れてる気がします。(時期的には異世界おじさんの原作の方が数ヶ月スタートが後っぽいですね。)

異世界の出来事としておじさんの活躍やヒロインとのあれこれがあったりとありますが、おじさんの世代的にジェネレーションギャップが幾多に渡って発生したりするというのもお決まりギャグとして存在していて楽しんで見れたな〜という印象です。

ただ最終回13話をまたまた延期してしまっているので最終的な評価は2022年下半期の番外編の感想記事で13話の感想を書いた時に判断する予定です。(これ書いてる時期的にもう13話って放送・配信されているんですけど分類的にはもうOVAとか特番の枠になると思ってるので番外編に回すことにしました。実はまだ見ていないだけっていうのは指摘しないでください。

 

ヤマノススメ Next Summit(4期)

紛うことなき名作のヤマノススメですが今回4期を迎えるにあたり最初4話はここまでの3期の内容をまとめた総編集編の放送となっており、5話以降は新規ストーリーという構成でした。最初4話に関しては総編集編なので特別言うこともないですが、今回に合わせて追加カットがあるのは素晴らしいですね。新規部分はめちゃくちゃ作画がいいです。

で、肝心の新規エピソードに関してですけども1番としてはまずあおいの富士登山のリベンジという側面が描かれていることですね。もちろんそこに至るまでの経緯であったりとかあおいがどのようなことを考えて、どんな想いを持って再挑戦するのか、そして無事登頂した時に見た景色に何を感じたのか、そういった部分がしっかり描かれているのがめちゃくちゃ良かったな〜と思ってます。

また、新キャラとして登山部の小春が登場したり、あおいのバイト先の先輩ひかりがメインのエピソードがあったりと登山以外の日常パートもしっかりとパワーアップしていると感じましたね。

ただ一方で最後の3話以外は30分枠の中でエピソードが2つという実質15分枠と作りが変わってないというのは30分アニメを期待していた自分としては少し残念だったかなという気はします。15分アニメと30分アニメを対等な立場では比較できないという持論に基づいている根拠(短い方が良くも悪くも短い時間で済んでしまうというやつです)から考えると、この30分枠で15分×2の手法って結構邪道となってて、あくまでも15分枠が2回分であって30分で1つのエピソードを作り上げているわけではないと考えるようにしたいとは思っています。特に前半のエピソードと後半のエピソードで明らかに作画のテイストが異なっていたりするので、それを前半後半一緒くたにして他の作品と比較するのはちょっと自分の軸からズレるかなという気はしてます。

ここまで理屈っぽいことは述べてしまいましたが、普通にこの作品良作なので1期から全部見た方が良いです。あくまでも15分枠の王という認識で自分は考えてますけど、そもそも15分枠の作品が30分枠の他作品と対等以上に渡り合えてるのってホントにスゴいことなんですよね。正直これを上回ることができる15分枠って今後四半世紀出てこないと思ってます。

 

Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-

近未来の新潟県三条市を舞台にした女子高校生たちが部活で「DIY」をする作品となっています。まず始めにめちゃくちゃ思ったのって十数年後の新潟県三条市って多分こんなに若者いないのにってことでしたね。地元の隣の市なので現状を知っているだけに明らかにこんなに発展する要素ないのにな〜って思いながら常に見てたりしました。「湯専」と「潟女」の2つの高校がこんなに隣接してても生徒数確保できるなんて世界線絶対に有り得ないしな〜 この世界では日本って新潟県だけになってるのかもしれない。

DIYがテーマということで部活で主人公のせるふたちがものづくりをする様子が描かれていくわけですが、せるふが絶望的なレベルで不器用なので周りの人たちに色々と面倒を見てもらいながらものづくりに挑戦していく姿が印象に残りますね。でもせるふって不器用ってレベルを超えるレベルで不注意とかその他ヤバいところあるし普通にそういう病気かも。

この作品の1番のポイントはやはり部活物でありながらもキャラ同士の関係性を重視した構成になっていることですね。特にせるふと幼なじみの未来(ぷりん)の2人の関係性は序盤から終始せるふがぷりんに向ける純粋な想いとそれに対して素直になれずツンケンした態度を取ってしまうぷりんが少しずつ昔のように心開いていくようになるという対照的な関係が良いですよね。他にも1人で廃部寸前のDIY部存続のために行動していたくれい部長やせるふに誘われる形で入部したたくみん、ぷりんの同級生でくノ一っぽい行動をする心(しー)、飛び級留学生のジョブ子といった面々が登場して、DIYを通じて学校の垣根を越えた部活の仲間として関係を深めていくのが部活物の押さえるべきポイントを押さえてくれてるって感じです。

終盤のツリーハウス作りで部活全体としての関係性の側面を描き、せるふとぷりんが2人きりでブランコを作る部分では2人の関係性の側面を描くということをしてくれていたので、終始最初に提示した方向性を貫いてくれているのが良いな〜って思いました。2022年秋アニメの中で個人的には最も期待値を越えてきた作品だったと思ってます。

 

デリシャスパーティプリキュア(第3・4クール)

プリキュアシリーズはスタート時期の都合上他のクール通りに3ヶ月ごとで区切るのはキリが悪いので、ここでは10月放送分は第3クール扱い、以降11月12月放送分は第4クールで、年明け後の放送も第4クールとして最終回までの感想とします。

前回分のラストは29話でクッキングダムにゆい達が訪問する回までだったので30話以降の内容となっていきます。30話~37話は個々のキャラクターにスポットを当てた個別回の側面が強い回でしたが、ここで特筆すべきなのはプリキュア変身者の4人だけでなく、マリちゃんといったサブキャラにスポットを当てた回があるのがポイント高いですね。個性派キャラが多い本作においてサブキャラもしっかり話に組み込んでくるのがとても良い感じでした。38話以降は本編の締めくくりという構成の内容となっており、マリちゃんの兄弟子にあたるシナモンが冤罪によってクッキングダムを追われたことや、その後シナモンがゆいのおばあちゃんと関わりがあったこと、そしてシナモンが拓海の実の父であることなど様々な要素が次々に明らかになっていくのは見ていて気持ち良かったですね。拓海が自身がブラックペッパーであったことをゆい達に明かすのも含めてこのあたりのエピソードはしっかり伏線を張ってきたものが上手く回収されていたと感じました。

あとは単純にこれまでナレーションでしか登場しなかったゆいのおばあちゃんが明確にキャラとして登場してくれたのも感動的な要素だったなと思います。逆にゴーダッツとのラストバトル関係は結構あっさりしてたかな〜って印象のシリーズでした。

個人的にはここねちゃんがホントに好みに刺さっていたキャラだったのでめちゃくちゃ楽しんで1年間見ることができたシリーズだったな〜と思っています。

 

4人はそれぞれウソをつく

2022年全体を通して見ても日常ギャグ作品の中でトップクラスのクオリティの素晴らしい作品だったと思います。ホントにこの作品ってぐちゃぐちゃのドカ湧きの称号が相応しい。

一見すると普通の女子中学生の4人の日常アニメですが、全員それぞれお互いには言っていない重大な秘密を抱えており、リッカは宇宙人、千代は里を抜けた元忍者、関根は女性限定で人の心が読める超能力、翼は女装男子ということを隠しているためここで様々な勘違いすれ違いが生じてドタバタギャグ作品として成立しているという感じです。リッカは宇宙人特有の秘密アイテム使って様々なドタバタの要因作ってくれたり、ぐちゃぐちゃになった世界を一撃で元に戻したりできるのでストーリーを展開する上で欠かせない要員ですし、千代さんは定期的に追手が来てのバトルを陰でしてたり、絶望的に頭が悪かったりするのが個性的なキャラでした。パワー系2人に対して関根は心が読めるのででリッカと千代の正体も知っていて、対処が必要な時以外は手を出さないでいるという実は強キャラポジションって感じですが、本人は女性限定でしか心が読めないことに気づいていないので、女装男子である翼(剛)の心が読めないということで上手くジャンケン関係が成立しているというのがスゴいです。そして普通の男子中学生の翼こと剛ですが姉と入れ替わって女装して女子校に通っていることもあり、色々と乙女心が分からずやらかしもしたりしますが、性別は違えど4人の友情を大事にしてるキャラでした。

また、OPの「エクリプス」もしっかりドカ湧き曲で最終回に至ってはSE付きという豪華仕様だったりします。個人的にはサビの「太陽/月 真実/嘘 僕ら重なるエクリプス」の部分がめちゃくちゃ好きです。この曲はリッカのCVの田中ちえ美さんと千代のCVの村上奈津実さんのユニット「NACHERRY」の1stシングルだったりするんですけど、絶対にこれってキャスティングに忖度働いてるよな〜(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会というコンテンツを思い出しつつ)ドカ湧きタイプの曲ではないですがもちろんメインの4人のキャラが歌うEDも素晴らしい曲なので最高の日常ギャグアニメ作品でした。

 

SPY×FAMILY(分割第2クール)

あ〜このアニメって本筋が進んでいく系の作品じゃなくて日常アニメ系の作品側の作品だっていうことに気づいたのが第2クール入ってからだったのって結構不味いのかもしれないです。むしろ日常アニメというよりはアメリカとかのホームドラマ的なのを意識してるのかな〜って思ってます。

第2クールは第1クールと異なり話が劇的に前進するということは無いような印象がありましたが、新規キャラはなんだかんだいるのでちゃんと飽きさせない工夫がされてたな〜とは思います。未来予知能力を持つ犬のボンドやロイドの後輩スパイのフィオナといった個性的な面々がさらに登場しています。また、第2クールはAパートBパートで別のエピソードというパターンも結構ありましたね。そういう側面から言ってもやっぱりこの作品って日常コメディ作品なんだなって思いました。

第1クールから間隔としてはそんなに空いてないのにOP映像を始めとして作画がより良くなっていたような印象はありましたね。第1クールの楽曲も豪華アーティストでしたけど、普通に第2クールも豪華面々でアニメ化そのものに力が入っていたな〜って感じました。2期と劇場版の制作も決まったのでしばらくはこのブームの勢いは続きそうな雰囲気ありますし、その理由もちゃんとわかる作品であるなと思います。

 

不滅のあなたへ Season2(2期・第1クール)

前回の第1期からおよそ1年空いての2期となり、引き続きフシとノッカーの戦いを描いています。

2期は1期から約40年後からスタートし、フシの「守護団」の団長を名乗るヤノメ人のハヤセの孫のヒサメがフシに接触してくるところから物語が再開します。第1クール冒頭は守護団の団長と彼女たちがハヤセから歴代で受け継いできたノッカーにまつわる内容が展開され、中盤は「ウラリス王国編」として精霊の姿が見える能力を持つボンシェン王子との出会い等を描く内容となっていました。序盤のハヤセの子孫たちが出てくる部分では守護団の野望に対して、40年歳を取ったトナリがフシの危機に駆けつけてくるのはいきなりアツい展開でしたね。それ以降の守護団の団長については大した内容はなかったですが、代々女性に受け継がれていた団長の座とノッカーを6代目は男性のカハクに受け継がれていたのは衝撃的でした。そのままの流れでカハクが同行した状態でウラリス王国編に入るわけですが、ボンシェン王子は生まれつき精霊(幽霊)の姿が見えるという能力を持っており、フシの回りに同居している器の人物たちの元の魂を見ることができていました。ボンシェン王子はフシの不死身の能力やノッカーと戦う宿命にあることに目をつけ、自分が王になるための功績作りのためにフシを利用しようと接近してきます。フシやボンシェン王子、カハクの活躍でノッカーを撃退したものの「ベネット教」にフシは悪魔であり、悪魔と交信する異端者としてボンシェンは処刑されることとなってしまいます。フシの存在を異端と認めればボンシェン王子は助かるはずでしたが、そこで拒否をしてフシを選んだことはホントに英雄の器だったな〜って思いました。結果としてフシが間一髪で替え玉の肉体を用意したことで助かりましたが、王子として表舞台で活躍することはできなくなったという内容でした。

ボンシェン王子という今までにいなかったタイプのキャラクターがフシを利用しようとしながらも情に絆されたりして完全には非常にはなりきれないという部分が描かれてるのが面白かったですね。一方でカハクのフシに対する異常なまでの執着心も分かりやすく描かれていて、フシに対して新たな感情を経験させる役割となっているのは良い感じでしたね。なんで6代目だけ男なんだよ…って心の中では思ってましたが… 本記事を出す頃にはもう第2クールも終わってしまっているとは思いますが、あくまでも第1クール時点まででの感想ですので第2クールの内容については次回で触れていきます。

 

チェンソーマン

事前の期待値的には圧倒的トップに君臨する気配があっただけに結果としてこの位置になったのは他の作品が善戦したというよりも思いの外この作品が伸び悩んだというような印象があるような気はしています。いや、別に普通にこの位置につけてるんでめちゃくちゃ良作なんですけどそこ止まりかなという感じです。円盤の売上が全てではないですけど実際円盤の売上枚数も程々程度に留まってるのもありますしね。

制作会社はMAPPAということもあり、第一印象としてはゾンビランドサガ、進撃の巨人、呪術廻戦等の作品で積み上げてきた実績を存分に活かした丁寧なアニメ化っていう感じでした。元の原作を読んだことない人ですらしばしばインターネット上で原作の展開等々について話題になっているのを目にすることがあるくらいには原作がかなり特殊というか異色というか異端というかみたいな感じの作風であるのでその独自の世界観をアニメ化にあたってどのように落とし込むのかというのは事前情報的にも気になる点でありましたが、人間等のデザイン等はアニメ化に合わせてより動かしやすいような感じになっていて、非人型の悪魔たちのデザインは原作の面影を強く残しているのかなというように感じました。現実と非現実の境目のような世界観を描く上でそこの表現の分け方は分かりやすく雰囲気を伝えてくれていたと感じます。逆にいうとここで人間のデザインが他のアニメと同じように使い古された均一化されたデザインに寄ってしまったのはこの作品に鍵って言えば必ずしも良い方向に働いたとは言えず、原作の雰囲気を変質させていた可能性も否めないのが実のところ多くの人が抱いていたであろう「なんか想像してたのと違うな〜」って感覚だったのかなと考えています。大前提として内容はしっかり面白いですし、戦闘シーンの描写等も満足していますが、期待値が高すぎた反動を受けている側面はあると思います。

今作はEDにも力を入れており、毎話異なるEDが使用されているというシステムとなっていましたが、これは力が入っているように見えて、逆に1曲1曲に対する思い入れが薄くなってしまうという問題が生じることになってしまい、2~3週後には殆どの曲がどんな曲だったかあまり覚えてないみたいな感じになってしまっていたので、もう少し曲数を絞って多くとも4曲程にするのが丸かったように思います。曲を簡単に使い捨てているようにも取れるので勿体ないな〜という印象を与えがちだったと思います。

ラストについては結構気になる終わり方となりましたけど特に直近で続編の予定等が発表されることもなかったので、このまま終わりとなってしまうと終わり方として釈然としないよね?という問題も生まれてしまい、そこもアニメという媒体単独で考えると微妙な感じがしちゃうと思っています。これは続編アニメが発表されれば良いんですけどね。

事前の期待値が高くなりすぎてしまっただけにその分気になってしまった部分も多く目に付いたのは確実にあるとは思いますが、大前提としてこの位置につけているので2022年秋アニメの中でもトップクラスのクオリティの作品の1つであったことは間違いないです。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン(6期・分割第2クール)

ホントに自分が実はジョジョ1~4部を見ずに6部見てるのってヤバいらしい。

相変わらずNetflixでの先行で1クール分まとめて配信となっており、地上波の本放送は遅れとなっているのは良いのか悪いのかという感じですが、ネタバレは踏まないように気をつければ問題ないですし、そもそもこの作品って原作の連載が2000年頃とかなり前でオマケに余りにも有名すぎるのでネタバレもクソもないっていう観点から見ても先行配信による弊害は少ないとは思っています。これがアニメオリジナル作品とかで同じことやってたら結構荒れそうではあったりします。逆にこういう新しい試みをこういうデカいコンテンツがやってくれるのって今後の発展のために大切ではありますよね。

というわけで内容面についてですが、第2クールでは「ウルトラセキュリティ懲罰房」での攻防から監獄からの脱獄までの内容を描いています。第2クール中盤にて徐倫たちもプッチ神父が倒すべき敵であることを知ることとなり、プッチ神父の野望を阻止し、承太郎のディスクを奪還するために脱獄を決意するという感じです。

もちろん内容はめちゃくちゃ面白いのは言うまでもない事なんですけど、6部を見てて思ったのが敵味方問わずスタンドの能力が搦め手っぽい傾向が強く、スタンドバトルが結構理解するのが難しいな〜ということはありましたね。ちょっと集中力を欠いてしまうと一瞬で置いてかれるので、逆にこの複雑な攻防をしっかり映像化してるのはポイント高いなと思いました。

連続クールで第3クールが放送される形にはなりますが、とりあえずここでは第2クールまでを踏まえてという感じです。ここから先はさらにスゴいことになって毎週めちゃくちゃ面白いしか言わない状態になりますけどこれについては次回の記事に書きます。

 

機動戦士ガンダム 水星の魔女(分割第1クール)

ガンダムシリーズといえば「OO」以降のここ10年ほどの最近は微妙な感じの評価のものが多く、どちらかというと「宇宙世紀」の初代の世界観に原点回帰してリメイク作や派生作品が主流になりつつあったという感じでした。特に個人的には「AGE」と「鉄血のオルフェンズ」は結構な大コケだと思ってるので正直このままだとコンテンツそのものが廃れることも危惧していたという感じです。

そんな中で令和になって久しぶりのテレビシリーズ完全新作ということもあり、期待値も高い上にシリーズ初の女性主人公ということやOPにガンダムシリーズとしては異色感のある「YOASOBI」を起用したりと事前情報だけでも何かやってくれそう感がめちゃくちゃありました。

実際に放送が始まってみて思ったのは既存のガンダムシリーズにあった設定を打ち壊して新しい物を作ろうという意識・試みが非常に強く感じられた点でしたね。もちろん事前情報であった部分もそうですが、学園物という形でスタートをすることで既存シリーズでありがちであった硬派な感じを取り払ったり、主人公のスレッタとヒロインのミオリネの関係性を描く部分はどちらかというと昨今の深夜帯のアニメで描かれるような内容で、そういった新規層に受け入れられやすい設定にしているのかなと思いました。

第1クールは学園での生活をメインとした内容でしたが最終回にて様々な引き金が引かれてしまったことでここから一気に戦争モードに情勢が変化していくような感じしますね。グエル先輩とかあまりにも試練を与えられすぎてここからどうなっちゃうんだって思ってますけど、グエル先輩は最終決戦でパワーアップしてスレッタのために駆けつけてくれるタイプのキャラって信じてます。スレッタママとかはガンダムシリーズ伝統の仮面キャラなんで何も無いわけがないんですけど、言動から明らかに「ガンダムエアリアル」に対しての愛着や親心を向けてるような気がするのがホントに怖い点ですよね。ガンダムなのに搭乗者のスレッタに何の影響もないことからもエアリアルって明らかにヤバい秘密がある気がするんですけどその辺は第2クールで明らかになる感じでしょうね。他のキャラもそれぞれ秘密を抱えていたりとまだ色々ありそうな感じありますんでその辺の掘り下げをしつつ、エアリアルで人を殺めてしまったスレッタが今後どうなっていくのかというところに注目だと思います。

 

うたわれるもの 二人の白皇(3期・第2クール)

うたわれるものシリーズ3部作の3作目のアニメ化の後半クールです。内容としては帝都奪還戦から始まり、ライコウとの決着、ウォシスやその部下との戦いを経て最後の暴走したクオンを止める展開といった流れでした。下記リンクにある年末に書いた記事でもあるように自分は原作ゲームをやった上でアニメを見ているということもあるので、あくまでもアニメ単体での評価・感想とするのであれば、面白い作品ではあるけれども初見だと完璧に理解するのは少し難しい部分もあるというのが本音かなという気がしています。

第2クール始まった最初の帝都奪還のためにオシュトル(ハク)とアンジュ率いるエンナカムイ軍とライコウ率いるヤマト軍の戦いは単純な力比べと言えるので理解が難しいということはないですが、ハクが眠りにつく前の世界で研究が行われていた「真人計画」や無印にて触れられていた「アイスマン計画」の話が出てくるあたりとかは結構帝が喋ってるだけの説明パート感はあったりするので分かりづらい部分であったかもしれないです。あとは原作をやったことがある人はわかるドカ湧きポイントがアニメのみ勢には伝わりづらいのかなという印象もありました。特にゲームで使われていたBGMがアニメで劇中歌で使われていてもそれはアニメ勢からしたらあまり関係ない訳ですしね。

とはいえシリーズの中でも特にシナリオが長編であるこの作品をほぼアニメのみでしっかりと楽しめるように構成していてめちゃくちゃ評価高いですね。ライコウの最期やアンジュと帝の別れ、そして何よりもクオンがこの作品のメインヒロインだということをはっきりさせてくれるようなストーリー展開、こういった部分がしっかりと作り込まれていたのが評価に値すると思います。OPとEDが第1クールから継続して「人なんだ」と「百日草」であることもちゃんと物語の内容に沿っていますし、挿入歌で前作「偽りの仮面」のOP「不安定な神様」や「天かける星」を用いて盛り上げてくれたりとめちゃくちゃ素晴らしい作品です。最終回は無印・偽りの仮面の続編として、何よりもシリーズの締めくくりとして相応しいものとなったので27話・28話連続放送の1時間構成にしてくれたのも良かったなと思います。

そして最後に何よりもハクのCVを亡き藤原啓治さんから引き継いだ利根健太朗さんにも最大級の感謝を送ります。

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S(90点~)

ぼっち・ざ・ろっく

原作勢がめちゃくちゃ話題にしていたということもあり放送前から注目度はめちゃくちゃ高い作品でしたが、逆張り大好きくんの自分でも流石にこれはめちゃくちゃ面白いな〜ってなりましたね。

毎クール注目度の高いきらら枠の作品が昔とは異なり、今では一周まわってもう馴染み深いとは言い難い感じになっているきらら枠ですがそのきらら枠の中でも異色の雰囲気を放っているです。きらら枠といえば可愛い女の子たちのゆるふわほわむんな感じの日常をお届けします的な作品が多く、そこは大前提として喫茶店だったりとモチーフとなるテーマがある感じですが、明らかにこの作品はゆるふわほわむんという感じではなく、主人公の「ぼっち」たち「結束バンド」のメンバー4人のバンド活動とそれに関連する日常エピソードが基本描かれるのに対して、彼女たちのバンド以外の時間(学校生活等)はバンドに関係する部分は描かれないという構成をしています。主人公のぼっちは陰キャコミュ障ということもあり、学校での様子は基本奇行に走っている様子とキタちゃんと話したり練習している時ぐらいですし、虹夏とリョウはほぼ学校生活のことが描かれていません。日常アニメのジャンルという区分なのは間違いないですが、バンド活動をしている時の日常を表で描き、その他の時間を描写しないことで裏として存在させているような作りを感じました。彼女たちの表の顔と裏の顔といった感じで視聴者に見えていないけれどもバンド活動以外のもう1つの日常も確かに存在する的な感じだと思ってます。最終回も「ASIAN KUNG-FU GENERATION」の「転がる岩、君に朝が降る」のぼっちカバーverが流れたラストシーンでぼっちの最後のセリフで文化祭でライブしたりの非日常もあるけれども最終的には日常は変わらず続いていくというようなメッセージがあったと考えていて、作品全体として「日常」を単なるアニメのジャンルとしてではなく作品の大きな1つのテーマとして描いていると感じました。

他にも結束バンドの4人が歌うOPやEDであったり、作中での様々な言動がインターネットで話題になったりと毎週毎週話題に事尽きない作品だったな〜という感じです。ちょっとした社会現象っぽくなっていてさながら「令和版けいおん!」と言っても差し支えないような現代アニメらしい名作だったと思います。

 

BLEACH 千年血戦篇(分割第1クール)

話題性という意味でいくと次点につけているぼっち・ざ・ろっくの方が上だったというのはもちろんそうだとは思いますが、アニメとしてのクオリティの総合点を競うのであればこの作品の右に出る作品は間違いなく2022年秋クールには存在していないでしょう。というかこの作品って自分の人生の中で見た全てのアニメ作品の中でもトップの座を争っているバケモノです。

もちろん大前提として旧作アニメを視聴してここまでの内容を知っているという前提での評価ですが、漫画やゲーム等の他の媒体と違い、あくまでも旧作アニメを全て視聴していればいいのでこれを見ているという前提で評価するのが自然だと思います。ここではアニメとしての評価を論じたいわけなので、続き物の作品の前の部分を見ずに評価をするのは正当なものではないと考えてます。(それにしたって旧作アニメが366話もあるのはエグいだろっていう意見は普通にその通りです。あと自分がジョジョの1~4部見てないのに6部の話してるのってめちゃくちゃカウンターとして効くので指摘しないでください。

というわけでここからは旧作アニメを完走している前提の話ですけども、純粋にまず続きを作ってくれてしかも原作の最後までアニメ化してくれるということ自体に感謝ですね。正直旧作アニメで新キャラも結構出てきてこれからさらに盛り上がるぞ〜って感じがあっただけに「死神代行消失篇」で終わるのって残念な感じしちゃったんですよね。ここからめちゃくちゃ待たされたという唯一の減点ポイントを除けばそもそも完結までやってくれるという事実だけで期待値が跳ね上がってました。
その上で実際に新作アニメがスタートしてまず明らかだったのが、作画のレベルが常に劇場映画クラスっていうことですね。戦闘シーンの描き込みや演出面での作り込みはもちろん、日常パート回も旧作アニメの懐かしさや面影を崩さないようにしつつ現代のアニメの基準に合わせた形にリメイクされていてめちゃくちゃスタッフの愛に溢れた映像化だと感じました。特に旧作アニメで印象深い各々の卍解のシーンとかは新作アニメにて良リメイクされていた感じがします。

加えて話の展開も旧作アニメとは異なり深夜アニメっぽくサクサクテンポで進んでいたように感じました。旧作は原作連載との兼ね合いやゴールデンタイムの時間帯でのテレビ放送だったこともあり、この辺の融通はあまり効かず、引き伸ばし感ある部分もありましたが、今作はむしろ圧縮している感じがするくらいにはテンポ良く進んでましたね。

キャストという観点から言っても旧作からのキャストは基本続投で新キャラとなる滅却師たちも名だたる豪華声優陣を集めていてもはやめちゃくちゃです。キャストが多く登場するシーンを収録する日は他のアニメの収録スケジュールに多大な影響を与えてしまっていたレベルには超豪華だったらしいです。

音楽という点で言っても文句無しで、作中のBGMは旧作アニメで使われていたBGMのアレンジverが多数使用されており、OPとEDも歴代と並び立つレベルの名曲なのでホントに大満足してます。

こうやって整理してみるとマジでこの作品って2022年秋クール現在の技術で作ることが出来る最も優れたアニメの要素を全て持っているんですよね。分割クールですので完結までしばらくかかるというのはありますが、普通にこの感じで最後までやってくれればこれ以上ないなという感じです。現状の得点はマジで100点満点中99点です。(ちなみに自分の中での歴代最高点はガンダムOOの98点です。)

 

 

 というわけでここまでが2022年秋アニメのA~S評価の作品でした。まず1つ本来投稿しようと思っていた時期から3ヶ月も遅れてしまったのは大反省だなと思っています。というのも、自分が視聴したアニメ作品についての記録という側面もあるので、放送時から遅れれば遅れるほど、放送時にどのようなことを考えていたのかといった記憶の解像度が粗くなってしまい、感想記事のクオリティが低下してしまうというのがありますね。これに関しては今後のアニメに対する向き合い方を考えなければいけないなと思いました。

次回の2023年冬アニメの感想はできることなら4月中になんとかしたいんですけど、普通に忙しいことに加えて、「やたら数は多いくせして結構大真面目な不作クール」(ボジョレーヌーボーのキャッチコピー的なアレ)というクールということもあり、どの評価ラインで分割するかも含めて悩んでいる最中です。

あと、2022年度下半期の番外編の感想も一緒になんとかしたいと思っているので、4月中に色々出していこうと思います。