rubidium-37’s blog

やりたいことしかやらん

2022年夏アニメ個人的総決算 前編

 どうも、ルビジウムと申す者です。2022年夏アニメもほぼ放送が終了しているという状況で雰囲気的には少し遅い感もありますが、例のごとくいつもの感じで個人的な感想・評価を述べていきたいと思います。

 

前書き

 2022年夏アニメは事前の期待値も個人的にはそこまで高くない感じだったのですが、結果として嫌な予感は見事的中してしまったと言っていいクールだったと思います。事前の期待値よりも良かった印象の作品は片手で数えるほどしかなく、逆に期待値より大きく下回ってしまった作品が数多く存在したのが印象としてあります。

 

 おおよそ自分がどのような基準で評価してるかについては以下の記事を読んでください。大原則としてアニメのクオリティは年月が経つごとに全体のアベレージが上がっていくべき物だと思っているので、その自然の流れに置いていかれてるようなアニメを現代に放送されても評価は低くせざるを得ないっていうのはあります。一方で時代の流れによるクオリティの進歩との兼ね合いによる相対的な評価とは別に、同時期に放送されている同系統の作品との比較という面での相対的な評価も存在しており、特に今回のような異世界ファンタジー系の作品が軒並みつまらないとかって現象があったりすると、その中でもまだマシな作品が相対的に良かったね~という感じで思わぬ恩恵を受けることも生じうるというのが自分の考えです。

 

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 加えて、アニメというコンテンツは総合芸術であり、展開やキャラの魅力、作画・演出面の映像関連、声優の演技など様々な要素が折り重なって形となっている訳です。そして視聴者側は1つの作品の形となったアニメを見て楽しむ訳ですが、作品を理解する過程でアニメを形作るいくつかの要素を無意識のうちに再度分離して解釈する訳です。この分離した後の各要素をどのように捉え、判断するかの物差しは個々人によって全く異なっているので、結局は作品の面白いつまらないを絶対量で計測するなんてことは本当は不可能ということです。

ここで言いたいのは作品の面白いつまらないを判断する過程で確実に個々人の思考プロセスが介在しており、ここの思考の瞬間はアニメ作品本体以外の情報が連想ゲーム的に混在しうる部分なんですよね。ここでいうアニメ作品本体以外の情報というのは個々人の経験であったり、時事的な話題であったりする訳です。このためにアニメリアタイしていると、全く関係ない作品でロッカーや下部分のフレームがないメガネが出てくるたびにプランダラの話をする「なんでもプランダラくん」や仮面を着けているキャラが出てくるたびにBLEACHの話をする「なんでもBLEACHくん」といった人間が出現する訳です。

それが個々人の経験レベルの話であればアニメを評価する上でのノイズとして排除することは比較的容易ですが、一般論的なレベルの話だとそれは制作側が意図した・しないに関わらず、想起された内容がそのまま視聴者に伝えたい内容として取られてしまうので、これを評価する上で排除するのは人間には不可能ということです。となると「昨今のアニメのトレンド・流行りの傾向」あるいは「トレンドに対して流行に乗っかった作品なのかあるいはアンチテーゼ的な意味合いを持つ作品か」、「続編物やシリーズ物の新作についての過去作との比較」、「日本人(あるいは全人類)の大半が知りうる時事的な事象」等の明らかに絶対量で測定できない、基準の軸が一定の形をしていない評価の基準も存在して然るべきで、これをノイズとして排除することはむしろ悪手なのではないかと考えています。

機械的に判断が可能な基準のみで完全に公正に平等に全ての作品を評価することは一定の信頼性を担保しますし、その評価に大きな間違いは生じないと思います。ただ見ている側は感情を持った人間なので、先に述べた機械が判断を出来ないような側面・要素に面白さを感じたり、感情を揺さぶられたりすると思うのです。そのことを見て見ぬふりするのはアニメを楽しむ上で勿体ないと思いますし、人間として産まれ、生きる過程での娯楽の1つとしてのアニメの存在意義そのものを問うレベルの話であるとすら考えています。

 

 ここまで前置きがいつにも増してかなり長くなりましたが、表向きの理由として自分の主義主張の話を述べておきたいという部分はありましたが、前置きが長い裏の本音的な理由を述べておくと今回の内容は特に前半パートに関して、結構各作品に対してチクチク言葉を入れてます。これは絶対量で計測しうることが出来る部分とそれだけでは評価出来ない部分をルビジウム個人が持ちうる物差しで測定した結果のものであって、この全てを真に受けて欲しくないと思ってます。特に個々人が持つ物差しで評価をしている部分については異なる意見があるのは当然であり、それを否定するなんてつもりも全く無いです。なのでこの記事で自分が言ってることはあくまでもルビジウム個人の物差しで評価している部分を含んでいるということを理解した上でテキトーに流し読みしてください。そもそも、このアニメ感想記事って後で自分自身の思考プロセスを読み返したくて書き始めたもので、ついでに自分の考えを共有したいな~ってことでブログとして公開してるので、ただの一個人の日記みたいな感じで見てもらえるのが一番ありがたかったりします。

 

 

 というわけでここからは各作品の話をしていくのですが、前編では評価E~Cまでの作品(いつもと異なって前編がCまでの理由は最後まで読んでいただければ分かると思います)について書いていきます。基本的に後に名前が出てくる方が評価が高いと考えてください。あくまでも「アニメという媒体」として見た時の個人的に付けた評価なので、原作だともっと良いとか公式の解説を見ながらだと面白くなるとかそういうことは一切考慮していないということを理解した上で読んでもらえると幸いです。

 

 

 本編に入る前に心苦しくも2022年夏アニメで途中切りをしてしまった作品をこの場で供養しておきます。途中切りはこのアニメ感想記事シリーズを書き始めてから始めてやってしまったのですが、2022年夏は本当に面白い作品が特に平日に少なかったこともあり、自分自身のアニメに対するモチベーションがかなり下がっていた部分もあったと思うので反省ですね。

以下、途中切り作品と各作品について軽く一言です。

 

ユーレイデコ(1話切り)

1話切りという書き方ですが正確には5分でギブアップしました。開始早々意味が分からないモードに突入してしまい、このまま踏み込み続けたらムテキングの再来になる予感がしたので敗走です。本当はどんな作品なのかということは全く知りません。

 

異世界迷宮でハーレムを(1話切り)

これは単純に平日の深夜の中でも最深部で放送しているのでリアタイが出来ないことが途中切りの1番の要因でした。個人的にはこういったR18版が配信サイト等で別口で配信されるレベルの過剰なエロ売りの作品が嫌いなのでその点からも録画を見る気があまり起きなかったですね。

 

森のくまさん、冬眠中(2話切り)

今期の僧侶枠ですね。ケモナーかつ腐女子向きの作品ということもあり、どちらかの要素ならまだしも両方となると精神の疲弊が大きすぎて耐えきれませんでした。あとシンプルに日曜最後のアニメをこれで終えて平日を迎えたくなかったです。

 

RWBY 氷雪帝国(5話切り)

元はアメリカ生まれの作品でオリジナル版は何期も続いている人気シリーズです。今作はオリジナル版の途中から分岐し、オリジナルストーリーが展開されるとのことで歴代シリーズを見てなくても大丈夫というわけで視聴したのですが全然大丈夫じゃありませんでした。有識者によると4話からオリジナルストーリーに入る構成なのですが、3話までの尺でオリジナル版の1期が何故か終わったことになっていたっぽいんですよね。3話のBパートとか全く何が起こったのかとか分からなくてホントにエグい上にオリジナル版を知っている人も普通にたまげていたので完全にここが運命の分岐点でしたね。以降のオリジナルストーリーも有識者には分かるけれども本作のみ勢からすれば雰囲気は良い感じだけど何やってるか分から~んの連続でした。流石にこの状態で完走してもRWBYというコンテンツに申し訳無い気がしたので無念の途中切りでした。いつかオリジナル版全部見る機会があったらその後でリベンジするかもです。

 

 

 

 というわけでここからは本編ですのでネタバレ等もあるので注意してください。(22年秋クール以降に続く作品に関しては22年夏クール時点での暫定評価です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

非アニメ枠扱い

5億年ボタン【公式】 ~菅原そうたのショートショート~

こんなものをアニメと言い張るな。

取り扱っているテーマは結構面白いんですけど後半の声優陣の大喜利パートとか見てるともはやバラエティ番組とかに分類されるよねってことで非アニメ扱いにしてます。そもそもAパートもアニメと言えるのかアレ… ニコ動に投稿されてるMMDの動画の延長線上に類するものに近いと思ってるんですけど、そうなるとそもそもアニメの定義ってなんなんだっていう哲学的な問題が発生します。タダでさえこの映像作品のせいで哲学的な問題を思考するのは嫌になってるのでここでは棚上げさせてください。兎にも角にも自分にはこれを他のアニメと同列に比較するのは無理なので例外としておきます。面白さだけでいったらこれ以降に紹介する作品とか普通に上回っちゃいますし。

ホントに大喜利パートで辛そうにボケをひねり出しててる大○○美さんがかわいそうで見てられなかったです。声優って本来は演技するのが仕事なのに。

 

E(~49点)

転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~

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タイトルから分かる通り例のごとく主人公が異世界転生して無双する系の作品です。ただ、いくら設定がありきたりだったり、展開がお決まりだったりしても評価Eをつけたりなんてことはそう簡単には起きないので、この作品がいかに凄まじいかということが分かると思います。

まず登場キャラという側面に関してですが、主人公のユージと彼が従えているモンスター(スラちゃんずプラウドウルフ)以外はモブです。シンプルにヒロインに該当するキャラがいないのでそういうキャラ萌え要素や恋愛要素的なものを期待している人はここで振り落とされます。

続いてストーリーに関してですが、恐ろしくつまらないです。転生後の世界で何をするとかという物語全体の大目的とかが存在する訳でもなく基本フラフラ旅をしてるユージと彼に降りかかる火の粉を対処するだけの展開の繰り返しです。作品としてやたら食事というものに対する拘りがあり、要所で食事要素を主張してきたりします。後半に登場するよく分からない宗教組織的な集団が本当に何の目的で何をしようとしてたのか全く頭に入ってこなかったのは多分視聴する側の責任では無いと思います、断じて。

最終決戦に関しても最終的にユージ本人の力では無く、よく分からない世界の神様的な存在の力を借りてラスボスをボコボコにしてて、全くアツい展開とかにならず、これはわざとやっているのかどうかを正直疑うレベルです。ただ最終回でOPとED両方連続で流してくれたのは良かったです。この作品、曲はスゴく良い感じなので。

とはいえ、この作品昔ながらのクソアニメ(褒め言葉)感は結構あり、ご飯回においてのユージの数々の奇行とも言えるリアクションや、水にやたら弱いレッサーファイアドラゴンひげスラの中の人のキャストコメントにおける珍発言、その他数々の名言、名単語、名シーンを産みだしてくれたので向こう1年はこの作品で楽しむことが出来ると思っています。本当にアニメとしては最低クラスの評価ですが、エンタメとしては結構楽しませてくれたのである意味印象には残った作品でした。

 

D(50~59点)

咲う アルスノトリア すんっ!

ソシャゲ原作のアニメ化ということで、主人公アルスノトリアたちの日常を描く感じのタイプの作品です。日常系アニメということで重厚なストーリーの展開とかは全く無くてただ萌えや癒やし要素を追求してくれればいいと思うのですが、流石に世界観の説明はもう少しして欲しかったです。いきなり何の説明も無しにアルスノトリアたちの日常が始まる訳ですが、彼女たちが何者でどういう存在なのか、彼女たちが生活してる学園兼寮的な場所がなんなのか、精霊とか魔法とかの概念とかが一般社会においてはどういう扱いになってるのかというようなことは一切説明が無い上に最後まで推測するしか無いです。結局はこういう要素が多々あるため原作ソシャゲファン向けのアニメ化作品という印象が強いです。アニメだけ見ても何にも分かりません。

加えて、各話一部にWarningという謎のパートがあり、よくわからん騎士たちが異端狩り的なことをしているシーンがあります。視聴していく過程でこの騎士たちがアルスノトリアたちの日常に迫っており、最終回のWarningパートで接触してソシャゲ本編に続くという「白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE」パターンになると思っていたのですが、全然そんな展開にならずにWarningパートとは関係ないところでソシャゲ本編の導入みたいな感じな展開が始まってアニメとしては終わったので疑問符が止まりませんでした。マジでWarningパートは何だったんだよ。

日常アニメにちゃんとしたストーリーとか必要ない論には自分も同意出来るのですが、異世界や異なる時代設定の場合そのバックグラウンドくらいはちゃんと説明してくれないと日常アニメとしても楽しむことが出来ないということを新たに認識することになった作品でした。普通にキャラは可愛いのでやってることわからなくても気にしないって人は全然好きだと思います。あと個人的にはOP曲(特にAパート部分)が好きだったりします。

 

継母の連れ子が元カノだった

あ~ホントに今の中高生層がこの手のアニメを本気で面白いと思ってるのかどんどん分からなくなってきて怖いです~

あくまでもこの手の学園青春ラブコメって中高生がメインターゲットで我々のようなおじさんが対象では無いということは分かってはいますが、それにしても「俺ガイル」とかと比べるとストーリーの質が低すぎるだろって気はします。となるとラブコメの中でもトンチキ寄りな作品と比較したいところですが「友崎くん」と比較してみると結構傾向は似てるかもな~って感じはしたので途中から全く真面目に見てませんでした。

主人公の水斗はヤレヤレ系主人公の典型みたいな感じで、ことある毎にラノベを読み漁っているせいで完全に陰キャオタクにしか見えないキャラです。作中で読書にはまったきっかけについて触れられていましたが山月記とか舞姫とか読んでいた少年が高校生になって部屋の中ラノベしかないってどういうことなんだよ。スポンサーとか広告の関連があるにしてもやり過ぎだろ。メインヒロインの結女は後半になるにつれシンプルに妄想癖が強くなっていく一方でヒロインとしての魅力はどんどん怪しい感じになっており、トンチキキャラと化していたのが悪くもあり良くもあるみたいな感じです。途中からサブヒロインでいさなが登場しますが、コイツは見た目はそれなりに良い感じなんですけど絶望的に品が無いです。ヒロインに魅力があまり感じられないラブコメってなんなんだよ。

キャラの魅力が無いからかストーリーの質がそっちに引っ張られてどうもトンチキ感が拭えない仕上がりになってるように感じてしまいました。本気のラブコメやりたいなら視聴者にもホントに好きって思わせるようなキャラ作りをしてください、マジで。

 

ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season(2期)

この作品を映像化しようと言い出した人は申し訳無いんですけど多分全うに良いアニメを作ろうと思ってはいないんだと思ってます。この手の頭脳戦を描く作品において重要な要素は「不変のルール」(この作品で言えばポイントの扱いと各特別試験のルール)と「各登場人物の思惑」(特に2期は綾小路・龍園の思惑)であり、これらを見る側に理解させなければそもそも話にならない訳ですね。原作はライトノベルという書籍媒体なので読者はこの作品を能動的に読んでいて、理解をしようと努力をする方向に労力を割く訳です。(実際に理解出来るかは別問題ですが)一方で、アニメという映像媒体はどうやっても見る側は受動的な姿勢で作品を見る傾向になり、個人の理解スピードに合わせて進んでくれる訳でもないので、一度置いていかれてしまうとずっと置いていかれてしまいます。となると特別試験のルール等はアニメで見る側に伝えるにはあまりにも複雑過ぎる訳です。加えてそれらのルールがわかった上で各陣営の作戦や裏での思惑とかも理解出来るようになってくるので30分尺にしてはあまりにも情報量が多すぎます。結果としてアニメだけ見ても何をやっているのかとかっていうことが全く理解出来ないはずなんですよね。実際、原作を読んでいて特別試験のルールや大筋の展開をわかっている自分ですら、アニメでの説明や解説を聞いたら理解が追いつかない(え?)という異常な事態に陥ったので、ここについては多くの人が感じたとは思います。

ここで最初の一文に戻ると、アニメでは伝えきれない情報が多すぎることは火を見るよりも明らかなはずなのに2期ひいては3期のアニメ化に踏み切ったのは正気の沙汰とは思えず、この作品のアニメという媒体が売れると思っている人の発想では無いんですよね。となると、女キャラクターのビジュアルにあやかってのキャラグッズによる利益、あるいは怖い物見たさに原作を読んでみたくなるタイプの人たちへの宣伝のための広告としてアニメが利用されているんですよね。それ自体はしょうがないことではありますし、自分個人としてはボコボコに叩くだけなんですけど、これがアニメしか見てない層にも容易に推測可能なレベルでアニメの出来が酷いというのが最底辺だと思ってます。一昔前のラノベ原作アニメの序盤をアニメ化して残りは原作読んでね~っていう手法もアニメという媒体をないがしろにしてて中々酷いとは思っていましたが、よう実の1年生編全部アニメ化するからといって中身がハリボテ以下っていうのも大概です。

アニメ制作だってボランティアじゃないんで利益をどっかで出さなきゃいけないのは理解出来ます。ただ、そのためにアニメという媒体を作品というコンテンツ全体の広告的な役割として利用するのは良いアニメとは言えないよねっていうのが自分の持論です。というかそういう思惑があったとしてもそれを見る側にあからさまに見抜かれるのは論外だよねって話です。そういう点では間違いなく評価はこの位置が妥当だと思ってます。

部分部分を切り取ってみるとOPの裏表綾小路やら綾小路と堀北兄のリレーでの対決、櫛田の大したことありそうで大したことない過去の話、綾小路と龍園の殴り合い対決、佐藤さんや軽井沢といったヒロイン組の一挙手一投足など楽しめる要素もあるんですけど、これらって全部シュールギャグというかよう実というコンテンツ本来の面白さとは別ベクトルになっちゃってるんですよね。なのでアニメ単体としては学園頭脳バトル風シュールギャグ作品という感じで落としどころとしておけば良いんじゃないんですかね。評価をギリDにしているのはそういった要素を加点にしてるからと思ってください。そうじゃなかったら2022年夏アニメでブッチギリでビリです。

 

黒の召喚士

作中のありとあらゆる要素が転生賢者と被りまくってるあまりにも間が悪い作品でした。主人公の転生要素、異世界が舞台、主人公がモンスターをテイムする、スライムとプラウドウルフみたいなオオカミ型モンスター、分かりやすいところでもかなり出てきます。唯一差別化出来る点は可愛い女の子キャラクターがいっぱい出てくることですけど、登場するのが中盤以降だったりするので大事な掴みの段階で結構微妙感漂わせてしまったのは弱いかなって思います。

ただ、この作品1番問題なのが物語全体として主人公のケルヴィンたちの大目的が存在してないことなんですよね。一般的な異世界転生物だと生前の知識や能力を活かして、異世界での地位を確立しようだとか、現実世界で報われなかった分異世界で幸せになってやろうだとか、異世界の悪者を退治しようだとか、元の世界に帰還するための手がかりを探すだとかって必ず何かしらの物語のゴール地点があって然るべきなのですが、この作品そういったゴールが全く無く、ケルヴィンが強い相手と戦いたいってずっと言ってるだけなんですよね。ケルヴィンは元の世界の記憶が無く、記憶を取り戻したいとも思ってないので目的といった目的が無いというのもありますが、かといって強い相手と戦いたいと言っている割にはそこまで積極的に戦いを呼び込むようなこともしておらず、やってることのスケール感が全てしょぼいように見えてしまいました。物語の大目的が存在しないせいで区切り毎の繋がりの脈絡が全然無かったりするのも、日常アニメ路線っぽくなってて真新しさはないなぁと感じてました。

戦闘の作画は結構良かったり、OP・EDの曲は良い感じだったりするので、どちらかといえば硬派な異世界ファンタジー系路線を意識して制作されているとは思うんですけど、かえって転生賢者よりもインパクトが薄い結果になってしまったように感じます。

 

異世界薬局

無味無臭の権化みたいな作品でした。設定とかも薬剤師が異世界転生して異世界でも薬局開いたり医者のまねごとしたりするっていう特に特別ひねったような感じも無く、魔法と主人公のファルマが転生する前の世界から持ち込んだ現代技術を駆使して薬局を開いたりとただただ話が流れていくってだけですね。化学・薬学・医学各方面の知識に明るいフォロワーの皆さん的に謝った知識を流布したりしてる点は無かったっぽいのでそこは大きく評価していいと思います。

個人的には女王陛下がかなり好みのキャラデザをしていたのと、黒死病の感染媒体としてばらまかれたげっ歯類がリスの類いでは無くモモンガの類いだったシーン辺りしか覚えてないんですけどホントに内容に関しては逆に何も言うことが無くて困ってしまいました。

 

プリマドール

自分ってホントにKey作品が好きじゃ無いんですけど、そういうこと関係無しにこの作品は色々と問題がありましたよね?毎週放送前に今週こそはプリ泣きできるかな~(プリ泣きって何?)って思いながら見てましたが結果はこの評価の通りでした。

戦争用に開発されたオートマタ兵器が戦争が終わった後の世界でどのように生きるのかという人形のアイデンティティをテーマとした作品でした。メインとなるオートマタのキャラクターが5体おり、彼女らの管理者兼保護者的立ち位置である遠間ナギがオーナーである喫茶店・黒猫亭にて働いています。序盤は各オートマタの個別回が展開され、中盤以降は歌を人々に届けるというオートマタの役割と灰神楽の登場による灰桜の過去の掘り下げという2つの軸で物語が進んでいく構成になります。ただ、序盤の個別回は1話完結のシステムであるが故に視聴者の感動を誘おうにも尺が短いことが災いして流石にそこまでの領域までたどり着けて無いという印象でした。序盤ということもありどうしても世界観の掘り下げやメインのオートマタのバックグラウンドの説明を並行しているため、物語の重厚感が無かったのかな~って思ってます。中盤以降は歌を重要な要素に盛り込み、黒猫亭での5体の活躍を描きつつ、灰神楽の加入、ひいては灰桜・灰神楽の過去の掘り下げに繋がっていくのですが、ここの過去編の説明が普通に分かりにくかったように感じてました。灰神楽は戦時中のオートマタ決戦兵器・菊花の論理機関を新しい身体に移植したオートマタであり、灰桜は同じく決戦兵器・桜花の記憶を持っている人形から作られたオートマタだということは分かりましたけど、それを理解出来るようにまでに必要なプロセスが回りくどいというか、1回見てすぐにパッと理解出来たかというと微妙なところがあったように思います。というか、灰桜が特別なオートマタってことは最初から見てればすぐに気づきますし、灰神楽も名前見れば灰桜と関係あることなんて即分かるので、2体の過去を理解したところで別に大した驚きとか意外性もないですよね。これでどうやって感動とかすればいいんだよ… 結局世界観とか設定を複雑化した割には、予想できる範囲の中に展開が収まりすぎてしまったのが悪い方向に作用したのかなってのが結論です。

それはそうと、歌をテーマの要素の1つにしているだけあってキャラクターソングは非常に充実しており、EDも個別回では各キャラのキャラソン、中盤以降は黒猫亭5体のキャラソンとなっています。楽曲関連は良い感じなので是非聴いて欲しいな~って思ったりします。(サブスクで配信してないのでアルバム購入しないと聴けないですけど)後はバックグラウンド的な部分は抜きにしてキャラの個性的な意味でいくと灰桜は愛すべきおバカキャラとしての側面があったり、灰桜の友達の千代ちゃんは可愛らしい性格をしてるので、中盤以降の本質パートを抜きにしてキャラアニメとして見ればそれなりに満足感は得られると思います。

 

ブッチギレ!

敵組織・雑面の鬼によって壊滅させられた新撰組に代わり、元囚人の主人公・一番星たちが替え玉の新撰組として雑面の鬼と戦うという内容でした。

設定とか展開は程々に面白い部分もありましたが、非常に問題なのはこれ新撰組をテーマにしてやる必要ある内容では無いよな?ってことなんですよね。1話で本物の新撰組が壊滅したことにより本来の歴史とどういうズレが生じていくのかというところが楽しめるかと思っていたんですけど、途中で一番星の弟が雑面の鬼の大将・羅生丸として暗躍していたことが明らかになってから新撰組要素別に要らなかったよね~って感じなのが勿体なかったと思いました。一番星たちが受け継いだ刀に死んだ新撰組の魂的なものが宿ってるので特殊な力を発揮出来るっていうのは別に新撰組の死による替え玉という要素が必要な理由としては明らかに弱いですからね。

とはいったもののこれを新撰組のアニメとして見なければ、前半は一番星の仲間たちに関しての掘り下げがあり、後半から一番星と羅生丸について詳しく描いていくという構成自体は悪くなかったと思っています。最終的に真の黒幕である、安倍晴明が羅生丸の身体を乗っ取って復活し、ほねほねザウルスを従えて京の街で大暴れするのでそれを一番星たちが倒して、平和は守られるという形になるのですが、この結末に新撰組要素ってやっぱり要らないよな?

 

C(60~69点)

ラブライブ!スーパースター!!(2期)

ラブライブシリーズが大好きで、何よりスーパースター1期が大好きだった自分としては本当にこうなってしまって悲しいという他ありません。あの素晴らしい1期の内容から一体どうしてこんな2期が産まれてきてしまったのか。

というわけで本作は言わずと知れたラブライブシリーズの4作目で、原宿を舞台にLiella!の9人がスクールアイドルの頂点を決める大会ラブライブでの優勝を目指すという青春アイドル作品です。ん?9人って妙だな…? Liella!はシリーズ初の5人組グループだったのでは…?

まずこの追加メンバーの加入という要素が歯車を狂わせた要因の1つであると考えています。いや新メンバーの加入そのものに関しては別に問題無いと思うんですよ。現に虹ヶ咲2期では追加メンバーが加入している訳ですし。ただ追加メンバーの加入が物語全体の大きな流れに必要な出来事であるのかというのは考えた方がいいと思います。端的に言えば作品が最終回を迎えた時にこの内容に対してこのキャラクター必要だったん?ってなっちゃってないかってことですね。スパスタ2期に関して言えば、主人公のかのんたち旧メンバーは2年生となり、Liella!の更なるパフォーマンスの強化という意味でも1年生からの新規メンバーを募るという流れから始まります。尺の半分くらいを使って新規メンバーの加入に関するエピソードが描かれており、それぞれがLiella!に入るきっかけ・過程を描くという意味で単話ではしっかりと成立しているエピソードだったと思います。ただ1期からの流れも含めた全体のエピソードの流れを考えた時に新規メンバーの加入って1期で描かれた結末に対してのアンサーを2期で描く上で何ら必要ない存在だったと言わざるを得ないと思ってます。要は2期で描きたい内容って新規メンバーの存在が無くても、旧メンバーの5人だけで描くことが出来る内容に終始しているんですよね。

ということで2つ目の歯車を狂わせた要因として大筋のストーリーについて考えていきます。1期ではラブライブ東京予選で惜しくも敗退し、かのんの心情がこれまでの歌えるだけで楽しいというものから、敗退した悔しさから支えてくれた学校の仲間や家族といった人たちに感謝の気持ちとして報いるためには勝たなければいけないというものに変化し、次はラブライブの全国優勝を目指して気持ちを新たにするというところで締めていました。ということは2期で考えられる展開としては「勝ちへのこだわり」によってかのんたちの行動・心情が1期と比べてどのように変化していくのかということだと思います。勝ちにこだわるあまりに原点の気持ちを見失ってしまうこともあったりということも含めて、最終的に東京予選をどんな形で突破するのか全国優勝に向けてどのような過程が描かれるのかという点が自然な流れかなと思っていました。そこに付随して可可が家族との約束でラブライブで結果を残せなければ中国に帰らないといけないという話も1期から継続して有効だったと思うのでそこも2期では当然絡んでくるというのは考えられるわけです。しかし蓋を開けてみると1期の話がキレイさっぱり記憶から抜けてしまったかのような展開になってしまい、東京予選でLiella!のライバルとして立ちはだかったウィーン・マルガレーテに対して勝てた理由を技術的な面ではなくラブライブに対する想いが~うんぬんかんぬんと言っていて流石にちょっと待って?ってなりました。その直前の可可とすみれの回で可可の帰国を阻止する為に技術的に劣る1年生に欠場してもらってでも絶対に勝ちたいという話にすらなったはずなのにその次の回でマルガレーテに勝てた理由を技術的な部分以外に見出すのは流石に無理ありません? 心理変化やそのきっかけとなる出来事が全然アニメの中で描かれてないのはこの部分だけでなく全体的に言えるところだとも思います。極めつけには東京予選語のかのんの留学関連の話によってラブライブ全国大会については最終回のBパートで一瞬の出来事のように扱われていており、本当に頭がおかしくなるかと思いました。ラブライブ全国大会のステージって今までのシリーズのことを考えたらそんなに軽いものであっていいわけがなくて涙が出てきそうです、割と真面目に。そのくせ、ラブライブ全国大会の尺を極限まで削って描いたかのんの留学関連の話は最終回Cパートで留学の中止が伝えられることで全て無に帰すのでホントにやってることヤバいです。3期に続く展開ではありますが、これ3期は千砂都がグレたところからスタートしちゃいますよもう。他にも言ってやりたいことが山ほどあった気がするんですけど、キリが無いのでこの辺にしときます。

ただここまで来ると、1期の良脚本を書いておいて2期で人が変わったかのような脚本になってしまったのは制作陣の関与し得ない外部的要因があったとも考えるべきで、一番考えられるのは新規メンバーの加入というものが1期、ひいてはシリーズ全体の脚本を練っている段階では想定されていなかったという可能性ですね。本作は初のNHKでの放送枠ということもあり、一段と力が入っていたと考えられ、実際1期終了直後に2期の決定が発表されたりと最初から2期までの展開を見据えた上で1期の脚本は練られていたと考えられます。すなわち、1期の脚本がほぼ固まった段階では2期も5人での体制でやっていく前提のもと2期を見据えた脚本を1期で考えていたのではないかという説ですね。その後、追加メンバーが入るとなった際に脚本側としては寝耳に水でそれに合わせて当初予定していた2期の内容から大幅修正をせざるを得なかったということは想像しています。あくまでもこれに関しては自分の妄想とも言えるレベルの想像でしかないですが、1期から2期にかけてこんなにも脚本の質が変わってしまうと、アニメ制作側にはどうしようもない都合があったと思わざるを得ない部分があります。視聴する上でここまで邪推するようなことって普通は無いんですけど、本作は元々の期待値がかなり高かっただけにその反動が大きく出てしまって、アニメの内容以外のバックグラウンドをあーだこーだ言いたくなるようなことにしてしまったのは、アニメそのものの評価にも少なからず影響してしまうとは考えています。

最後に楽曲関連ですけど、今までのラブライブシリーズではあまりなかったようなタイプの曲が結構あったりして、曲単体でみると良曲揃いの印象ですけど、やっぱりその曲に至るストーリーもあってこそだと思ってるんで、1期のWish SongやStarlight Prologueには及ばないかなと思っちゃいますね。というか声優ライブで楽曲に関連するアニメ映像から2期の楽曲って流れの演出見せられても笑っちゃうだろ普通に。

 

てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!

ピニャータの章」←あ~ホントにキチガイです。

お笑いトリオの選手権「てっぺんグランプリ」の全国大会に向けて5組のお笑いトリオグループが「タカコ荘」にて共同合宿するという話ですが、このあらすじはほぼ嘘です。まず第1にこのアニメで主人公のやよいたちのグループ「ヤングワイワイ」を始めとして、登場するお笑いグループがネタを披露しているシーンはほとんどありません。じゃあ彼女たちの合宿中の日常的なものが描かれているのかと言われると全くそんなこともないです。いや、彼女たちにとってはアレが日常なのかもしれないですけど… 回によってまちまちだったりしますが、極端な回だと前後の脈絡が全く繋がっておらず、キャラ同士が語感と雰囲気だけで言動をやり取りしてるようなものもあったりします。このレベルになってくるともう普通に面白い面白くないとかっていう枠組みですらなかったような気がします。いや、ホントに何を食ったらあんな脚本を思い付くんでしょうか?ただ、構成として上手いのはキチガイ度合いを後半になっていくにつれて徐々に上げていってることなんですよね。視聴者がこの作品を視聴していき、どのような作品なのか理解して適合していく過程で少しずつ負荷を上げていくのは基本でありながらもしっかり考えていたと思います。(某政治家暗殺事件の影響で放送延期となっていた2話が10話と11話の間で放送されましたが、何故か2話が10話と同レベルのキチガイ度合いを兼ね備えていたので実はこの法則は偶然の産物ではあるのですが、予定通りの順番で2話の内容を見てもホントに何も分からなかったと思うので個人的にはこれで良かったと思います。)

ただ、不満があるのは最終回の展開で最後の最後でちょっと良い感じのエピソードで上手く締めようという方向に持っていったのは悪手だったと思っています。ここまでの話でもう引き返せないレベルでふざけ倒してるのに今更そこを貫き通すことから逃げて安易な展開に逃げるのはこの作品のコンセプトとしてはかなり違うのかなという気がしました。最終回で描いたことがやりたかったんなら途中のキチガイエピソードの大半は存在そのものが違うよね?って話になっちゃいますもん。OPにあるように「笑いってなんだい?突きつけられる難題」という意味では視聴者側にも考えさせるものが色々とあった作品だったという印象です。

 

ハナビちゃんは遅れがち

火曜日の5分枠で放送されたパチスロ筐体を擬人化したアニメです。いや、パチスロ筐体を擬人化って冷静に考えて頭おかしいんですけどね。

ユニバーサルエンターテインメント社のパチスロ筐体「ハナビ」を主人公に擬人化したユニバの筐体たちがパチンコ業界における仕事コメディを描くという感じの内容です。5分枠ということで濃密な何かがあるということもないんですけど、5分枠相応の内容で楽しませてくれる作品であったと思ってます。パチスロというかなり狭い範囲の、しかもマニアックな内容をテーマにしてることで、自分のように全く知識のない人間も「そういうことがあるんだ~」という感じで楽しめますし、見識の深い人も「それは結構あるあるかもしれない」と同意出来たりするいい落としどころのテーマの作品だったのかなと考えてます。OP曲が6種あり、登場する各キャラそれぞれの歌唱となっているのも良い感じで、EDもハナビのパチスロ筐体が当たった時の当たり音をラスト部分に用いているオシャレな曲なので良かったです。

内容面とは別で作品の話題作りの一環として、本職の声優ではない素人の著名人を声優起用し、全然下手っぴな演技が紛れ込むというのが作品そのものの完成度の話に限って言えばスゴく良くないことだと思っており、本作にも某有名アニソンシンガーと某有名YouTuberがモブで出演している回がいくつかありました。ただこの作品5分しか元々尺がない上にモブのセリフもものの数秒のレベルの話で、正直見てても気づかないような次元の話だったのでこの作品に関しては評価にそこまで影響はしてないかなとは思ってます。(個人的にゲスト出演の2人のことは好きですが、それは別としてアニメに出てるところなんか見てもしょうがなくね?って思うのは自分だけなんですかね…?)

 

組長娘と世話係

八重花たむが可愛いだけのアニメ。多分この作品どちらかというとホントは女性がターゲット層なんだとは思ってます。

ヤクザの桜樹組の若頭である主人公の霧島は、ある日組長に一人娘の八重花の世話係を命じられることとなるところから物語がスタートし、2人の関係性を描く日常作品となっています。テーマと導入的な部分からいくと結構良さげな作品という感じがしていて序盤の立ち位置的には上位だったのですが、4話のアニオリ回で一気に失速しましたね。この作品の本質って片やヤクザの霧島と片や幼女の八重花というアンバランスなコンビが生み出す関係性の部分にあるのであって、霧島と八重花の絡みがない、あるいは2人の関係性を変化・進展させないエピソードってほぼ存在意義が無いはずなんですよね。後半になればなるほど八重花の存在が作中で希薄になっている部分があり、霧島と他の登場キャラの関係性の要素にスポットを当てるような作りであったのが少し考えていた本質的な部分とズレがあるように思いました。

制作側からしたら霧島の変化を描く上で八重花という存在はあくまでも1人のキーパーソン程度の認識でしか無く、他のキャラと大きく一線を画するつもりではないと言われたらそうなのかもしれないですけど、そうしたら序盤の掴みの部分で視聴者に勘違いをさせるような感じにしてるのは一種の詐欺みたいなもんですよこれ。これを意外な展開として良しとするという考え方もあるとは思うんですけど、八重花というヒロインの存在が薄くなっているというのはやっぱり微妙なんじゃないかというように考える次第です。

 

カノジョお借りします(2期)

主人公に好感持てないラブコメってやっぱり見ててキツくて~の代表格ですね。和也の性格うんぬんの話もありますけど、そもそも数えられるレベルを優に超えて、レンタル彼女にあれだけのお金払ってるやつがマトモな人間な訳ないだろって言いたくなります。

1期終了直後に2期の放送が決定しており、世間的な流れでいったら人気作になるこの作品ですが、面白いつまらないというレベルの話の前にこの作品の内容を生理的に受け付けない人って一定数存在すると思うんですよね。レンタル彼女を使ってデートをするという行為自体には個人の自由の側面が強いので別になんとも思わないですけど、レンタル彼女の水原を家族や友人に本当の彼女だと紹介するという和也の感覚もイカれてると思いますし、それに話を合わせて実の彼女を演じてる水原も大概イカれてるんですよね。こんな異常者たちに視聴者はどうやって共感したらいいんですか?とめちゃくちゃ疑問に思うんですよね。

という感覚を前提で2期の内容を振り返ってみても、和也・水原・麻美の行動原理に共感できる部分があまりに少なく、墨ちゃんはそもそも全然出てこないので、相対的な側面からいくと視聴者は瑠夏ちゃんに共感したくなるように思えるんですけど、普通に作中の瑠夏ちゃんの言動を見ていてもなんでこの子が彼女になってくれるといっているのに和也は水原の方にいくのかよく分からなくなってきます。(CV東山奈央さんは負けヒロインの法則)恋って理屈じゃ無くて感情だから他人に理解させるってやっぱり難しいんですね。

ホントに個人的にはこの作品に全然共感できないってのもあるんですけど、やってることの基本スタンスは1期とほぼ変わりが無いというのが2期の内容ということで評価的にはこんなもんだろうという感じです。放送終了時に発表があった3期の内容は原作的には1番面白かった部分なのでここのアニメ化は多少期待してもいいとは思ってます。

 

最近雇ったメイドが怪しい

両親を亡くした主人公の悠利のもとに出自不明の怪しいメイドのリリスがやってきて、2人の日常を中心に描く作品でした。基本的にはリリスが悠利をからかうような言動をとって、逆に純粋な悠利のリアクションに照れさせられるというのがお決まりのパターンが結構ずっと続くので、途中で飽きちゃう部分もあったというのは正直な感想ではありますが、サブキャラクターとして五条院つかさと彼女の執事の藤崎、そしてリリスの元同僚のナツメが登場して物語全体として見た時に一定の変化は生じていたのかなとも思っています。
つかさの指摘をきっかけに最終的に悠利がリリスに抱く感情は恋なのではという展開となっていくのですが、かなり年齢が離れてる2人のラブコメ、分かりやすくいえばオネショタジャンルの作品って最近少なかった気がするので結構楽しめました。展開としては比較的ありがちとも言えますが、競争相手が少ないジャンルなのでリアタイする上ではちょうどいい具合だと思ったりします。

 

はたらく魔王さま!!(2期)

あ~ホントに待望の2期がこの出来なのホントに頭がおかしくなりそうです。2期からの新キャラとしてアラス・ラムスという赤ん坊が登場する訳ですが、主要キャラなのにも関わらずコイツの存在がシンプルにイライラせん?っていうレベルまでになっていたのは振り返ると結構悲しくなってしまいました。
いや、アラス・ラムスとかいうやつのお守りをしてる真奥・エミリアたちの日常が別に見たいわけじゃないんですよね。1期で結構良ポイントだった登場人物たちの展開するわちゃわちゃ感は2期も残っているんですけど、わちゃわちゃの方向性が基本アラス・ラムスという存在をめぐっての問題なので、ちょっと違うかな~って思った次第です。

キャラデザの面の話からいくと1期から7年も時間が経ち、映像技術も進化してそれに合ったキャラデザに変化する必要があるのは当然ですが、それにしても顔変わりすぎじゃね? 特にちーちゃんとか骨格レベルで変わってますもん、ホントに実況で相撲取り同然の扱いされてるのも冗談じゃ無いレベルで丸くなってます。男性キャラのキャラデザは比較的すぐに慣れたし、鈴乃だけはなんかめちゃくちゃキャラデザ良かったんですけどね。あと、途中でシンプルにめちゃくちゃ作画崩壊しててヤバい回ありましたよね… そういう面からいっても期待値を大きく下回る出来だったのが残念と言わざるを得ないと思います。

ストーリー的な部分でもアラス・ラムスをめぐって天界から天使が来て~エミリアの過去が少しずつ明らかになって~と結構真面目な話をしてるのが本筋は多かったですけど、別にこの作品って日常ギャグパートの面白さの方が結構メインだったりするので、本筋が真面目路線で盛り上がってもな~って思っちゃいました。この内容、流石に時代遅れ感あるんですもん。3期もあるっぽいんですけどこの内容でこの作画で放送を続けるようなら更なる時代遅れ感否めない気がします。過去の人気の良作がこういった形でケチが付くのってホントに勿体ないと思うんでただただ悲しいです~

 

オーバロードⅣ(4期)

オーバーロードって評価が極端に割れる作品の筆頭だと思っていて特に3期以降はその傾向が顕著な気がしてます。結局、議論の対象として挙げたいのがアインズが主人公として位置していることに必要性があるのかというところであって、ここの捉え方で評価が大きく割れていると考えています。

この作品の基本の流れとしては人間あるいはその他種族のコミュニティの中でのエピソードとアインズが部下と共に世界征服ひいてはアインズと同様に転生してきたプレイヤーの存在の調査に関するエピソードの2つがあります。基本それぞれは独立した話であり、ちょっとした部分のみでそれらの話は交わるレベルでしかなかったのが2期まででしたが、3期後半でアインズが大々的に世界征服を宣誓するような格好となり、そこの絶妙なバランスが崩れたことで評価が大きく割れるような感じになったと思います。見ていれば当然分かりますが、アインズたちナザリック勢力は人間や他の種族と比較にならないレベルの強さを誇る訳ですからマトモな戦いにすらならない訳です。事実4期では王国は為す術もなく滅ぼされる形となった訳で、この結果が見えている蹂躙自体が面白いとはあまり思えないです。

逆にこの作品の面白さというとアインズ以外の勢力がナザリック勢力の存在を知らない、あるいは大した物では無いと高をくくった上で、他の勢力同士の駆け引きや思惑、戦いなどを展開し、描いている面があると思います。

シミュレーションゲーム的な例えをするなら、いくつかのNPCの勢力を自由に競わせ、発展させている様子を観察・シミュレートしているところに、アインズというプレイヤーがナザリック勢力というチート紛いの勢力を持ち込んで全て壊滅させていく様をアニメとしている訳ですから、これのシミュレーションゲームをやってるアインズは楽しくてもそれを傍から見てるだけの視聴者は楽しいとはならないと思うというのが自分の考えなので評価としてはこの位置にしました。人のやってるゲーム見てるのが好きな人というのも当然いるのでそこは解釈の違いだと思いますが、やっぱりゲームは自分でやるのに限ると思います。個人的には全く同じ内容のシミュレーションゲームが存在したらメチャクチャ面白いとは思います。

 

 というわけでここまでが2022年夏アニメのE~C評価の作品でした。夏アニメはCまでの評価になってしまった作品で半数を占めてしまったのでやむなくB評価は後半組に送っています。ここ最近毎クールのように不作気味みたいなことを言ってた気もするんですけど、2022年夏は本当に一部の良作が固定されて他は軒並み微妙みたいな感じで分布の変化的な意味でも面白みがあまりなかった気がします。後半のB~S評価組は風都探偵・シャインポストの最終回待ちなのでもう少し待っていてください。

 

2022/11/6追記

後編がようやく完成したので以下にリンク張っておきます。ついでに読んでもらえたら嬉しいです。

rubidium-37.hatenablog.com