rubidium-37’s blog

やりたいことしかやらん

2022年春アニメ個人的総決算 前編

 どうも、ルビジウムと申す者です。2022年春アニメも一通り放送が終了したのでいつもの感じで個人的な感想・評価を述べていきたいと思います。

 

 2022年春アニメは色々なジャンルの作品があり、バリエーション豊かな感じではあったので似たようなジャンルの作品同士での潰しあいはほとんど起こっていなかった一方で、全然違うジャンルの作品にも関わらず展開の上で同じようなこと(文化祭、タイムトラベル等)をやってる作品が多かった印象です。展開が同じような感じになると段々と他の作品と記憶がゴチャゴチャになるようなことがあるのは結構困りものだったりします。

 

 おおよそ自分がどのような基準で評価してるかについては以下の記事を読んでください。大原則としてアニメのクオリティは年月が経つごとに全体のアベレージが上がっていくべき物だと思っているので、その自然の流れに置いていかれてるようなアニメを現代に放送されても評価は低くせざるを得ないっていうのはあります。明らかに2014年に放送されていたような石鹸枠みたいな作品を今放送してもCとかの評価になるのは当然って感じです。

rubidium-37.hatenablog.com

 

 前編では評価E~Bまでの作品について書いていきます。基本的に後に名前が出てくる方が評価が高いと考えてください。あくまでも「アニメという媒体」として見た時の個人的に付けた評価なので、原作だともっと良いとか公式の解説を見ながらだと面白くなるとかそういうことは一切考慮していないということを理解した上で読んでもらえると幸いです。

 

 ここからはネタバレ等もあるので注意してください。(22年夏クール以降に続く作品に関しては22年春クール時点での暫定評価です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

E(~49点)

群青のファンファーレ

ここまで酷い作品も久しぶりに見ましたね…

元アイドルの主人公が転身して競馬ジョッキーを目指すっていう話です。事前の告知PVとか見ると一般的にはあまり知られていない競馬学校での生活に焦点を当てつつ、馬と騎手の卵達が織りなすアツいストーリーが展開される的な感じで、宣伝にJRAも一役買ってる期待作って感じがあったのですが、蓋を開けたらいきなり主人公と主人公のアイドル時代の社長らとの確執的なのがメインテーマとして展開され、競馬のことそっちのけで色々と進んでいきます。

中盤くらいまで尺が進んで事務所とも和解し、本格的に騎手の卵の生活が描かれてくるのですが、いきなり時間が飛んで厩舎での実習編が始まっていたり、模擬レース編が始まっていたりと肝心な所の説明が無くてかなり困惑しましたね。普通に後半何を今やってるのかよく分かってなかったですもん。むしろ前半の座学パートを圧縮して欲しかったですね。

最終的に思ったのが、この作品でやっていることは基本的に競馬がテーマで無くても成立してしまう内容がほとんどで、競馬学校の生徒達の人間ドラマが描きたかっただけなんだなってことですね。そう思うと競馬は人間ドラマを描くための当て馬にされているってことになるのですが、そういうことをする対象が馬という生ある存在なのが普通に嫌悪感抱いてしまいます。そういった点もあって大真面目にこの評価にしてます。

 

境界戦機(分割第2クール)

え?これで完結って嘘だよな…?

複数の他国勢力によって侵略統治され、日本人は日本人として生きる権利が失われた近未来の日本にて、日本を取り戻すべくアメインという戦闘機を操る主人公の椎葉アモウや仲間の鉄塚ガシン、紫々部シオン達の戦いを描いています。

第1クールでは隠岐の島でのアモウとAI搭載の無人アメイン・ゴーストの相打ちでアモウの消息が不明になったところで終わりました。

今回放送された第2クールではアモウがレイジスタンス組織「八咫烏」に帰還、またゴーストのAIを手に入れ軍事的優位に立った北米同盟と他の勢力の対立構造が表面化、戦争へと発展していく展開となります。

名ばかりの日本政府を傀儡としている北米同盟と北陸の一部を他国勢力から返還された「八咫烏」改め「新日本協力機構」の戦争となり、アモウ達はオリジナルアメインに乗って新日本協力機構側で戦います。また、ゴーストのAIを搭載した機体を手に入れた北米同盟のブラッド大尉の参戦などもあり、北米同盟が優位となりますがなんやかんや起こって最終的にはアモウがブラッドを撃破し、戦争は新日本協力機構の勝利となります。

終戦後、アモウは戦いの果てにAIユニットを破損し、これまでの記憶を失った自身の機体のAIの「ガイ」を連れ、彼と新しい思い出を作る為に旅立ち、ガシン、シオンもそれぞれの道を歩みます。

ここまでそれなりにちゃんと展開を説明したのはこの作品を完走した人がガチで全然いないからなんですけど、実はこの作品日本全土は返って来ること無く、戦いは続く的な感じで終わりを迎えます。1クール目の終わり頃から登場してた闇の商人的な人物も大物感散々出しといて最終回までに大した見せ場も無くあっさり捕まります。

何より1番納得出来ないのが、これまで散々殺し合ってきた日本側といくつかの諸外国各勢力同士があっさりと手を組み新日本協力機構とかいうのを作って馴れ合いを始めたこと、北米同盟、ひいてはブラッドという明確な敵役を作って物語を楽に展開する方向に逃げたことですね。戦争なんてどっちが良いとか悪いとかって次元の話じゃ無いはずなのに、あたかもそこに善悪があるかのような感じで物語を作ってたのが気に食わないです。オマケに最後の最後でブラッドも実はこういう理由でゴーストの力を欲していて~みたいな良い人感出そうとしてくるのも気に食わなかったです。

ホントにホントにガンダムでやるには少し幼稚な内容かな~っていう物を別作品としてやった結果、普通にコケたみたいな作品でした。

ちなみにどうでもいいですが第2クールは19話が1番酷いです。

 

D(50~59点)

史上最強の大魔王、村人Aに転生する

前半はともかく後半の出来が悪すぎるだろ…

明らかに設定とか展開のノリとかが2014年前後のラノベ原作アニメ感がある作品でしたが、2014年当時ですら(楽しめるけど)これアニメとしてはどうなの?みたいな作品と同列の作品を令和に放送したら当然ながら酷い言われようになるのは分かりきっています。

前半は転生した元魔王の主人公のアードとそれを取り巻く周りのキャラクターの話なのでまだ内容は理解出来るのですが、後半の古代編になってから基本「ヤ バ い 展 開」状態で、何をやっているのか自分は全然分かっていませんでした。

自称「神」的な存在にアード達のいた世界と告示したパラレルワールドの過去世界に連れていかれ、パラレルワールドの過去の自分である魔王バルバトスやさらに別のパラレルワールドから来たもう1人のアードと対峙することになるという結構面白そうな展開なのにも関わらず、何一つ面白くないという奇跡みたいなことが起きています。結局もう1人のアードの戦う目的が別に大層な物でも無ければ、衝撃の展開とかがあるわけでもなくただただアードがもう1人の自分を打ち倒して終わり~みたいなのが味気ないのが良くなかったんだと思います。

そもそも、「神」的な存在にいきなりパラレルワールドの過去世界に連れていかれるとかいうクソみたいな導入、今時小学生でも納得しないだろ。

最終回ラストでOP流して戦闘シーンやってくれればまだ許せたのにそういった展開になることも無く静かに終わったのでホントに救いが無かったです。

 

3秒後、野獣。 ~合コンで隣にいた彼は淫らな肉食でした

毎度恒例の僧侶枠ですね。

僧侶枠といえば5分の尺(CMとかの時間を考えると実質3分ほど)の中で起承転結をいかに盛り込むかっていう勢いが問われることが多いですが、この作品はそういった勢いで押してくる感じもなく終始退屈な感じになってしまいましたね。悪い意味で普通すぎるといったところでしょうか。

幸いにも5分しか尺がないので30分枠と比べれば苦痛は少なく済んでますが、これ以上の時間は普通にキツいタイプの作品でした。

あとタイトルに野獣と入っていたせいで、Twitterの実況中に某ネットでお馴染みのあの先輩のことを連想させるツイートが大量に散見されてメチャクチャになっていました。普通に終わりです。

 

RPG不動産

RPG要素も不動産要素も大して重要じゃ無い上に終盤の展開があまりにも微妙すぎた作品でした。ちなみに作中でのRPGの意味はRent・Plan・Guideの頭文字らしいです。

一応RPGっぽい要素としてキャラクターの職業とかあったり、レベルとかって概念があるっぽいんですがそれが作品に必要だったというシーンが全く思い出せないですね…

前半は主人公の琴音とRPG不動産の面々が依頼人に合う部屋を紹介するという内容のワイワイ系日常アニメなのですが、後半から巷を騒がせているドラゴンの正体がファーなのではないかという疑いを琴音が持つようになり、その内容に深入りしていく展開が終盤描かれます。巷を騒がせていたドラゴンはファーとは別のドラゴンで、ファーはファフニールの力でそれを止めようとしていたのですが、ドラゴンを操っていたフードの女の子が誰か分からずじまいで作品が終わってしまいます。ホントにあの女は誰なんだよ。

最終回で死んだ琴音の葬式(ごっこ)やったりしてますが、絶対に生き返るの視聴者目線だと分かってるので多分ギャグシーンだったんだと思います。流石に感動を誘うシーンでは無いよな?

ファーの正体の件を引っ張りすぎて、結局何がしたかったのか後半は良く分からなかった感じします。普通に日常アニメしていたとしてもこれ現代で戦えるクオリティあるのかはかなり疑問ではありますが…

 

C(60~69点)

骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中

ホントにちょうど良い薄味異世界アニメです。

主人公が異世界に骸骨姿の騎士・アークとして転生し、アリアンやチヨメといった仲間と旅するというシンプルな内容の作品です。異世界転生主人公特有のチート級の強さで敵を倒したり、事件解決をしたりとやりたい放題するだけのアニメでホントのホントに内容は無いですが、これくらいが何も気負わず見ることができるので1番ちょうど良いです。何なら途中から見ても良いですし、1週くらいなら見逃しても多分大丈夫です。

OPがSE付きでホントに毎週ドカ湧きって感じだったのでこれが1番の醍醐味ってところありましたね。

リアタイとか録画視聴とか関係無しに次の日になったら話大体忘れてました。

 

可愛いだけじゃない式守さん

本当に和泉くんとかいう主人公の存在が全ての足を引っ張っている作品です。主人公に好感を持てない作品を楽しむのって特にラブコメにおいてはなかなか難しいところがあると思います。

和泉くんは産まれながらの不幸体質でしょっちゅう怪我をしたりするのですが、恋人の式守さんはそれをカッコ良く防いでくれるという設定です。そういったカッコイイ側面もあることから可愛いだけじゃないというタイトルという訳ですね。

問題は和泉くんの不幸体質というやつなんですが、明らかに不幸の一言で片付けるのは怠慢のような部分があり、不幸が起こるという予想がついているのだからそれに備えて行動すれば防げるであろうものがいくつもあり、不幸体質よりもシンプルに別の病気を疑ってしまいます。あと、いちいち和泉くんのリアクションが癪に障るので見ていてイライラさせられる面も多いです。逆に言うと和泉くんの声優さんがそれだけの技術があるということでもありますが。

というわけで和泉くんがほとんど登場しない回とかだったりすると式守さんや式守さんの友人組関連の話で結構面白いので、ホントにもったいないな~という印象的でした。

 

理系が恋に落ちたので証明してみた r=1-sinθ(2期)

あ~このアニメホントに何だったんだろうな~って気持ちにさせてくれる世紀の魔作です。

相変わらず理系を名乗る変人・奇人たちが繰り広げるラブコメ作品ですが、1期の時と同様に理系はこんなんじゃないのに!って笑いの要素と理系のことバカにしてます?って不快の要素でギリ不快の方が勝ってるみたいな作品です。自分は理系の端くれなので終始理系はこんなんじゃないのに!って叫んでました。そもそも研究室で(薬品等使う実験するわけでも無いのに)常に白衣着てるの異常すぎる。

前半は雪村と氷室の話がメインですが、後半は奏を中心とした「普通」とは何かというテーマに内容がシフトしていきます。後半の内容はテーマ性を持たせてストーリーに深みを出そうとしていたのはわかるのですが、その結果の最終回がアレだとこの作品雪村と氷室が主人公である必要ほとんど無くないか…?という感想を抱いてしまいました。普通に棘田先輩と虎輔の話の方がラブコメとしても面白いので尚更って感じしますね。

ツッコミどころ満載過ぎてあまり深く考えてはいけないタイプの作品ってことは分かりますが、登場人物の言動とか色々考えれば考えるほど、このアニメホントに何だったんだろうな~ってなります。

 

本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません(3期)

あ~このアニメホントに何だったんだろうな~その2です。

いや、本作るって要素がどんどん少なくなってるんですけどこれどういうアニメでしたっけ? 青色巫女見習いとしてのマインの生活を描くシーンが割合としては多く、家族や商会の面々とのシーンは少なくなってきているって感じでした。話が進むにつれてそのような傾向になっていくというのは分からなくは無いんですけど、それにしたって本だけ作ってればそんな面倒なことにならないのにって思っちゃいました。

神殿とか貴族のいざこざとかってこの作品においては複雑な要素で視聴者側からするとどちらかといえばどうでも良い要素寄りなのでうーんとなってしまいます。魔法が~とか貴族が~とかってよりも現代の知識活かして好き勝手マインがやってくれるだけで良かったのにどうしてこうなってしまったんだろ~って感じがします。

色々な方向に手を出しすぎて全体としてのまとまりが怪しくなってるパターンの典型ですかね。

 

社畜さんは幼女幽霊に癒やされたい。

社畜の主人公である伏原さんがある日から幽霊ちゃんが見えるようになり、幽霊ちゃんを始めとした人ならざるものとの日常を描いた作品です。

基本は癒やし系の日常アニメで大層なテーマとかあるわけではないので、昔にも同じような作品あったよな?とはなりがちなジャンルではあるところが痛い感じはしますが、何も考えずに見ることのできる日常枠としてはオススメですね。

ナレーションのリアクションが入るシーンだけはちょっと寒い感じがして結構キツいんですけどそこ以外は粗もないんで、可も無く不可も無くみたいな印象の作品でした。

 

このヒーラー、めんどくさい

最初の時点では信じられないくらい面白くないな~って思っていたんですけど、回が進むにつれ段々とはまっていくというスルメアニメでしたね。

あらすじに関しては作中で腐るほど説明してるので今更ですが、クソ雑魚冒険者の主人公のアルヴィンとめんどくさい性格をしているダークエルフのヒーラーのカーラがパーティを組んで色々と冒険者っぽいことをする作品です。

特筆すべきはOP映像で、初回から映像でゲストキャラ(およびそのキャラのCV)とおおよそのあらすじが紹介されている点です。この先もずっとこのOP映像が使われているので、毎週「今日はコイツが出てくるのか~」という気分で視聴することになります。

ギャグに関しても上振れと下振れが激しく、同じ回の中ですら、爆笑するシーンと全く笑えないシーンが混在するの普通にスゴい情緒になります。

終盤は意外にもカーラがちょっとデレてきたり、サブキャラクター達の活躍も光るという感じもあって結構楽しめました。

全体を通して振り返ると普通にやってること異常ですが、新たな境地に視聴者を連れていってくれた作品です。

 

盾の勇者の成り上がり(2期)

う~ん、大筋としては面白そうな感じで進んでいるのにイマイチ盛り上がりに欠けていたのはやっぱりテンポ感がまったりすぎたからですかね。

待望の盾の勇者2期ということでこの作品の設定が結構好きな自分としては楽しみだったんですけど前半の霊亀編があまりにも退屈すぎて普通に辛かったです。後半の絆編が駆け足気味だったことを考えるともう少し尺の使い方を考えても良かった気がします。いや、前半ちょっと長めにしてオストというキャラに愛着を持たせたかったってのは分かるんですけどね。

絆編は普通に見たかった盾の勇者って感じで良かったですけどこれくらいの面白さがデフォルトくらいであって欲しかったですね。

最終回は2期の内容を補完するような内容でしたが、オストとの回想で下ネタトークした後のシーンでオストの弔いをして2期を締めるの普通にこの作品始まって以来の狂いだったな~って思ってます。絶妙に感動できなくてホントに苦しかったです。

3期も決まってるとはいえ、アニメ業界全体の面白さのインフレが激しくなってるので結構キツいかもって思ってるんですけど展開次第って感じですね。

 

カッコウの許嫁(第1クール)

ヒロインが複数出てくる系のラブコメなんで、好き嫌いは結構分かれるところあると思います。
設定としては主人公の海野凪とヒロインの天野エリカは16年越しに取り違え子である事実を知らされ、それと同時に2人は許嫁であることを知らされるという感じでスタートし、2人の恋愛模様に加えて、凪の以前からの想い人である瀬川ひろや凪の妹(エリカの実の妹)の海野幸も関わってくるという感じです。

第1クールは基本的に設定的な部分や各キャラクターがどのようなキャラなのかということを表現することに徹していた感じがしました。基本的には日常パートメインで凪と各ヒロインの関係が進展していくといった具合です。

この作品はヒロインのキャラが結構濃い為、見る人によっては極端に好きになれないキャラはいるかなと思います。特にエリカとひろは人によって分かれると思いますね。

実のところ自分は原作読んでるのでこの先の展開も知っているのですが、ここではあくまでも原作等関係なしにしたアニメのみで評価を付けることに徹しています。良くも悪くも第1クールは大きな動きがなかったのもあるので、現状の評価はこのあたりという感じでいいかなと考えています。

 

魔法使い黎明期

ゼロから始める魔法の書」の続編に位置づけられる作品ですがそもそも前作のアニメは別に最後までやりきった訳ではないので普通にこの作品だけ見ていてもよく分からない要素が多い作品でした。

主人公のセービルことセブくんは魔法学校に通う生徒の1人であるが、入学以前の記憶が無い上に魔法も上手く扱えない劣等生ですが、ある日学長から特別実習を課せられます。特別実習の過程でセブくんは同じく特別実習を課せられたホルトやクドーとの絆を深めたり、監督役のロス先生から様々な学びを得たりしていきます。

中盤からは前作メインキャラクターのゼロや獣の傭兵も登場したりと盛り上がりポイントも結構あるのですが、物語全体を通して見てみると終始何をやっているのかはよく分からないという感じになっています。敵味方の関係とか立場的に相容れない組織同士のしがらみとかって前作の原作を最後まで読んでいないと分からない部分もありますし、何よりも前作の敵役であった十三番がセブくんの実の父であることが明らかになることから前作でゼロと十三番の決着がどのようにしてついたのか分からないのが視聴者視点だと結構致命的だったりします。

OPが新生fripSideなのでそこも盛り上がりポイントなんですけど、そもそも前作がアニメで途中までしかやっていないのに続編をアニメ化するってだけで釈然としない感じもあり、もう少し前作の扱いをなんとかしてくれればな~と思いました。

 

B(70~79点)

乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です

ガチで物語の展開はめちゃくちゃ面白いのにキャラデザ・作画が絶望的な作品です。

キャラデザがあまりにも酷すぎるのでヒロインのリビアとかアンジェみたいな可愛いキャラはギリギリ可愛く見えるか…?くらいの感じで、作中で目立つ必要の無いモブはアニメという創作物上の存在にも関わらずホントにブスなのが逆にスゴいです。

乙女ゲーム世界のモブとして転生した主人公・リオンがゲームでの知識を活かして平穏な人生を送ろうとしますが、やり過ぎて功績を上げてしまい、嫌々ながらも散々矢面に立たされることになるという感じの話です。

リオンは基本的には聖人君子とはほど遠い性格で、気に食わない相手は徹底的に潰したり容赦も無いですが、ひねくれているだけで優しい面もあり、リビアやアンジェには慕われているってキャラです。作品全体を通して主人公であるリオンに不快感を全く感じないというのはかなりポイントが高く、視聴していてめちゃくちゃ楽しい作品でした。

加えて、作中のめちゃくちゃな設定も基本的にはリオンが前世でプレイした乙女ゲームの設定がはちゃめちゃだったからという理由で成立してしまうので何をやっても許されるという無敵状態なのも強みだと思います。

OPの「サイレントマイノリティー」も良い感じの曲ですし、何よりEDの「Selfish」のサビでドカ湧きするのホントに好きすぎる。

ホントに話は面白いのに作画面でのマイナスがデカすぎてこの評価にしてますが、これで作画良かったら余裕でAの評価にしてました。話の続きはスゴく気になるので原作読みたくなってくるのアニメとしての出来はともかく、コンテンツとしては成功してるので完全にしてやられてるの個人的にはプランダラの再来って感じでした。

 

CUE!(第2クール)

後半になって明らかに主役交代したアイドルアニメです。

第1クールは4グループ均等に出番があったはずなのですが、第2クールは明らかに利恵たちMoon(通称フリーター組、産廃声優 etc)のメンバーが贔屓されているように感じましたね。出番の物理的な量だけでなく、Moonのメンバーの回は良作エピソードが多く、4人とも個性がしっかりと立っていて良い感じでした。

一方、第1クールでメインだったはずの陽菜たちFlower(通称声優組)のメンバーは全く出てこない回も結構あり、明らかに第1クールと扱いが変わっていたような気はします…(気のせいかもしれません)

第1クールでは1番脚本が異常展開となりがちだった美晴たちWind(通称ラジオ組)がメインのエピソードは相変わらずヤバい展開だらけで、終始ツッコミどころ満載で楽しませてくれました。「冒険サバイバーズ」とかいう2022年最も声に出して読みたい日本語を産みだしたこの作品には大感謝です。

悠希たちBird(通称アイドル組)は21話が印象的でした。悠希の意外な心情とかも垣間見えたエピソードでしたね。展開に必ずしも納得出来たかと言われると微妙ですけどね、特に紅茶の葉捨てたシーンとか。

第1クールから通して色々とあったこの作品でしたが、最後の3話でなんだかんだアイドル声優アニメっぽくキレイに締めたのスゴいと思いました。まるでこれまでの半分以上を占めていたキチガイじみたシーンのことなんかなかったみたいにしてるんですけど、そこも含めてこの作品の個性だと思ってるんで、キチガイシーンたちのことも忘れないであげてください。

 

阿波連さんははかれない

主人公のライドウくんと人との距離感が物理的にも精神的にもバグってるヒロインの阿波連さんによるラブコメ作品です。

この手の現実にそんなことするやつ絶対いないとか、現実でそんな展開絶対起きないっていう構成で成り立っているアニメって最初全然ついていけなくてかな~り苦しいんですけど、視聴し続けていると身体が適合してくるっていう現象起こりがちです。

序盤はライドウくんと阿波連さんはお互いに恋愛感情とかあるのか視聴者に全く伝わってないのに普通にいつも一緒にいたり、ボディタッチの伴う動作をしたりしてるので特にラブコメではないタイプなんだな~って途中まで本気で思ってました。あとライドウくんは異常な妄想癖の持ち主で、阿波連さんのちょっとした言動に対してとんでもない妄想を視聴者にお届けしてくれるので最初は全くついていけません。(例:阿波連さんが明らかに太ったように見える→女性初の力士を目指すことにした、阿波連さんに校内の茶室に招かれる→阿波連さん=千利休説を提唱しだす etc)

普通にただの異常ギャグアニメなのかと完全に思い込んでいたところで突然阿波連さんがライドウくんへ好意を抱いているということが分かる展開が出てきて流石にたまげましたね。ホントに何でこのタイミングなんだ~って声出ました。

最終的には阿波連さんとライドウくんの関係も良い感じになって終わるという自分の予想に反して良い感じの作品でした。でも最後までライドウくんの異常な妄想タイムで何言い出すかは予想できなかったです。

 

デート・ア・ライブⅣ(4期)

2019年に待望の3期を放送して無事に大爆死した元祖ラノベ原作アニメですが、三度制作会社を変えて4期として帰ってきました。

4期の内容は残りの精霊が出揃うというところで二亜編、六喰編からの1期以来の狂三編という構成でした。

ギャグとかのノリはもう完全に一昔前の作品って感じになってしまっていて、ちょっとキツいな~って感じはあるんですけど、シリーズファンからするとまともな作画で、まともにアニメをしてくれているだけで充分と思ってしまうくらいには3期があまりにも酷い出来なのでそういう意味では元々の期待値が低かったことは逆にプラスに作用したかもしれないです。

終盤の狂三編にて次々と物語の根幹に関わる部分が明らかになっていき、最終回で一気に加速する形で5期へバトンをつないだのは凄く良い感じの構成でした。

あとはOPの「OveR」の歌詞が4期の狂三の境遇をぴったり表しており、今期トップクラスでテンションの上がるOPだと思ってます。

5期はいよいよ狂三編の決着、澪編が描かれるであろうことが予想されるのでめちゃくちゃ楽しみですね。首を長くして待つことにします。

 

トモダチゲーム

ガチでいい意味で中学生が好きそうなアニメでこっちもニッコリって感じでした。

流石に実写ドラマ化されてるだけあってそれなりの作品ではあるんだろうなとは思ってましたが、予想以上に全うに面白くて正直ビックリしました。

やってることは「ライアーゲーム」とかに近い作品ですが、主人公の友一のキャラクター性もめちゃくちゃ厨二病っぽくて作品に合っていましたし、その脇を固める天智さんも友一達を裏切ったり、その後全ての希望を託して従うことにした友一に酷い目に遭わされたりと散々かき回してくれるいいヒロインポジションでした。(もちろんこの作品のヒロインは天智さんですよね?)

ゲームで友一が勝利する為に用いた数々の戦法は流石に自分たちくらいの歳になるとしっかり考えれば予想がつく物も多かった感じですが、そこまで真剣に考察してないのであ~そっか~ぐらいの感覚で見れるのも良かったですね。流石に最終回の指切りジャンケンで友一が怪我してない方の手でチョキ出すってのホントにやるとは思ってなかったですけど。

ホントに全ての要素がちょうど中学生くらいのターゲット層にぴったり刺さるような作品に仕上がっていて流石実写ドラマ化が先にあっただけの作品だと思いました。

 

ブラック★★ロックシューター DAWN FALL

2022年春史上最も最終回で評価を上げた作品でした。

自分は前作は見てないんですけど、前作を見たことある人からすると全然内容関係ないらしくて何で「ブラックロックシューター」の名を冠してこのディストピア世界観の作品を作ったのかは結構謎だったりします。

世界観としては人工知能アルテミスが暴走し荒廃した近未来世界が舞台で目覚めた人類の守護者の1人のエンプレス(ブラック★ロックシューター)やかつての仲間デッドマスターやストレングスの戦いを描いています。

前半は教育機関というカルト集団との戦闘、後半はアルテミスとの戦闘がメインとなっていますが、総じて人類側には救いは無いことを描いている一方で、その中でもメインのキャラクター達の抱く僅かな希望を描くことも忘れないような構成であったと思います。

最後の戦いでメインキャラクターも何人か退場して、エンプレスも力を使い果たします。Bパートで描かれた50年後の未来で人類がアルテミスの本拠地である月に反撃に転じる際に再びエンプレスがその姿を現し、同時にEDとして挿入歌で「ブラック★ロックシューター」がFull尺で流れるというあまりにも素晴らしい幕引きの仕方で本当に叫びました。

これを独占配信にしているデ○ズニーとかいうカスはホントになんなんだよ。

 

エスタブライフ グレイトエスケープ

生まれ住むクラスタに馴染めない人達を別のクラスタへと移動させる主人公の逃がし屋エクアとエクアの仲間たちの活躍を描いた作品です。

アニメだけを見ても序盤は特に世界観を完全には掴みきれないところもあり、クラスタが何なのかとか、明らかに人間じゃない生き物が意志を持っていたりするのでその辺はなんとなーくで流して見なきゃいけないのでそういうのが気になるタイプの人はあまり好きじゃないかもしれません。

基本的には単話完結での構成となっており、今の生活から逃げたいという依頼人を逃がすためにエクア達が依頼人を護衛するって感じです。各依頼人の逃げたい理由というのが現代社会にも通ずるテーマだったりしたので見てて考えさせられる部分もありました。

全編3DCGということもあり、作画的な面はどっちに転ぶか正直わからなかったですが、全話通して違和感のある部分は無く、3DCGの良さを活かした演出もしていたので良かったと思います。

欲を言えば終盤にもう一山何かあれば構成としても言う事無しだったかなという気はします。特にエクアの過去とか全く不明のままだったのでちょっと気になる感じではありました。

 

くノ一ツバキの胸の内

くノ一の女の子たちがいっぱい出てきてワチャワチャするだけのシンプルなアニメです。ほぼ忍たま乱太郎みたいなイメージで考えてくれればOKです。

男子禁制で生徒の大半は男を見たことがないという環境のあかね組の里にて主人公のツバキは戌班の班長として、またあかね組全体のまとめ役のポジションですが、ひょんなことから男という異性の存在に興味を持ち、男のことを知りたいという考えが強くなって葛藤していったりします。

男のことが気になるツバキの葛藤を描く一方で、並行して生徒達の日常を各班ごとに描いており、シンプルに萌えを追求してくれてる作品だったと思います。個人的には途中から戌班に加入したリンドウと未班のベニスモモあたりが1番好きですね。

あとはEDが全13話それぞれ各班をイメージした全て異なるアレンジのものとなっていて(最終回は全員ver)、スゴくおしゃれで凝った演出だと感じました。

特別大きな展開があるタイプの作品ではなく基本日常アニメですが、回が進むに連れ視聴者目線では知らなかった各キャラの関係性とかが徐々に浮かび上がってくるのが良かったですね。

 

ヒーラー・ガール

やりたいことは分かるんだけど絵にしてみたら何か違うんだよな~ってめちゃくちゃなってた作品です。

音声医療という歌で患者の治療を行う医療技術、ヒーリングが存在する世界で、ヒーラーの見習いの主人公・藤井かな達の修行の日常が描かれてる作品です。

ミュージカルアニメというだけあって作中の随所で歌いながら会話したり場面説明したりするシーンがありますが、時々アニメでこういうことやろうとすると絶妙に何か違うんだよな~って感じてました。加えて、ヒーリングのシーンでヒーラー達の心象風景的なイメージ映像が流れるのですが、これも冷静に見てみると結構狂い要素多めでヤバいな~って気持ちになっちゃうのも何か違うんだよな~要素でしたね。

ホントにやりたいこととかはハッキリしてる上に展開もしっかりとしている作品なのにそれを上手くアニメに落とし込むという方法を人類が持ち合わせていないような感じがあったのが口惜しい限りです。

あと、7話の文化祭回でかな達がバンド組んで演奏を披露する時にOPを上手く使ってくるのは良かったと思います。まあ、ヒーラー要素全然関係ない箸休め回なんですけどね。

 

まちカドまぞく 2丁目(2期)

1期放送から少し時間が空きましたが、1期の良さをそのままに新キャラも登場してより面白くなっていました。

2期はシャミ子と桃の関係が進展したこともあり、微百合感ある展開というか、シャミ子も桃もお互いのことを想っての行動をしてたり、そのことを指摘されて照れ隠ししたりするシーンがあったりと1期よりも心の距離感が近くなっているのが分かります。

新キャラとしてリコくんとバクの店長も登場してより一層ワチャワチャしてる感じがあって1期の感じが好きな人はより楽しめたと思います。

展開的な面でも桃の姉であり、魔法少女の桜とシャミ子の過去の関連等についての色々があったり、ミカンの呪いの体質とウガルルに関しての内容が描かれたりと単なる日常物ってだけではないのがこの作品っぽい感じが出てたと思います。特に最終回のシャミ子がウガルルに言い放った「ありがとうって言われるのが好きなくせに心が無いとは何事だ!」というセリフなんかは屈指の名ゼリフだと思います。

作品全体として登場キャラの心情を上手く描いていて、それをキャラ同士の関係性や物語の展開にも盛り込んでくるのが良い感じの作品だと思いました。もし機会があるなら3期も作って欲しいですね。(その前に原作7巻はいつ出るん?)

 

ビルディバイド -#FFFFFF-(分割第2クール)

第1クールの#000000から3年後の世界で前主人公の照人の弟子であった棟梨ひよりと照人の双子の妹にして前王の蔵部菊花の2人を中心として秩序の崩壊した新京都での戦いを描いています。

ひよりと菊花が共に戦う上でお互いのことを知っていき、信頼できる相棒・友人となっていく過程が描かれていたり、第1クールで登場したキャラが3年の時を経て色々な形で再登場したりと構成として満足いくものでした。

世界観の説明的な話でいくと結構唐突に新ワードとかが出てきたりしてとっつき難い部分もやはりありましたが、基本キャラが言ったことに対してはそういうもんなのね~という認識で流していかないと先に進めないのはカードゲームアニメではありがちなので、多少はしょうがないかなとは思っています。

終盤で照人と桜良が再登場して、黒幕の樋熊と照人のバトルになりますが、テリトリーの性質上運ゲーデッキ寄りのブルームを使う照人がデッキの残りカードを全て絞り込みデッキ上のカード2枚が共にバスターであると特定してテリトリー効果を使用したシーンはまさにカードゲームの真骨頂という感じでスゴく面白かったと思います。

カードゲームアニメとしては非常に良く練られた作品で良かったので、今後のカードゲームの商品展開的な意味でも別シリーズでまたアニメを作って欲しいと思いました。

 

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(2期)

歴代ラブライブシリーズとは一線を画す展開であり、曲や映像にも気合い入りまくっている作品のは確かです。実際、自分はラブライブ大好きくんなので当然虹ヶ咲の2期も色々良かったところは沢山あります。何ですけどその良かった部分って大半が現実世界でのライブやソシャゲ等のシリーズの他媒体の展開との連動に因るものであり、アニメだけしか見てない人の立場からすると結構置いてきぼりっていう感じがあったと思ってます。

2期は新規メンバーの嵐珠、栞子、ミアが同好会に参加するに至るまでの経緯を描きつつ、既存メンバー9人で3つのユニット結成の流れを組み込んでいました。ただやっぱり1期のアニメの個別回は全体的にめちゃくちゃ良かっただけに、2期は結構ユニット回とか展開として怪しいところあった気はしてます。好きなエピソード選ぶのなら2期の総決算って感じでミアのソロ曲初披露の回が1番良かったと思ってます。

2期は既存曲の使い方がとても上手くて、特に3話のラストで侑ちゃんが1期EDの「NEO SKY, NEO MAP!」をピアノ演奏する最終回さながらのシーンはホントに素晴らしかったと思います。他の回でも既存曲を上手く使って作品を盛り上げてくれたのでアイドルアニメとしては高得点だと思います。

ただやっぱりアニメとしては1期と比べてももう一歩って感じで、コンテンツ全体を好きな人に向けた作品なんだっていう感じは見てても伝わってきました。なのでアニメの評価としてはこの位置にしておきます。

 

 

 ということでここまでが2022年春アニメのE~B評価の作品でした。B評価以上なら基本的には良作の部類だと考えてはいますが、これだけB評価ないしはC評価以下が多くなると、全体として見た時にやや不作気味に感じてしまう部分もありました。良くも悪くも安牌を取るような作品が多く、そこがB評価にとどまってしまった要因である作品も少なからずあったように思います。A~S評価の後半は現在準備中なんでもうちょっとだけ待ってください。

 

7/16追記

後半のリンクを付けておきます。是非読んでいってください。

rubidium-37.hatenablog.com