rubidium-37’s blog

やりたいことしかやらん

2021年度下半期 個人的視聴アニメ(番外編)

 どうも、ルビジウムと申す者です。今回は各クールごとのアニメの総決算ではなく番外編と題しまして2021年度下半期(2021年10月~2022年3月)のネット先行配信作や深夜の番組表の穴埋めに放送してる再放送作およびdアニで見た過去作・アニメ映画作について自分が視聴したものについて色々と書きたいと思っています。今回は視聴した作品について比較的すぐ感想等を書いてるので、色々細かい話も出来てるのではないかと思います。半年も放置してると細かな部分を思い出すのがめちゃくちゃ大変なので。

 

 いつも通り、自分がどのような基準でアニメを評価してるかは以下の記事を見てください。過去作の相対評価については放送当時の基準とします。(現代基準で何年も前の作品を評価するのはどう考えてもフェアじゃないので。) 

rubidium-37.hatenablog.com

 

 

  • ネット先行配信枠

 この枠はネット先行で配信された作品の中で2021年下半期にテレビでも放送された物を紹介する枠です。最近はネット先行みたいなことって少ないような気もしてるので、この枠はそもそも母数が少ないですね。

 

平家物語 (2021年秋配信)

評価 A

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これは素晴らしいアニメーションですよ。平家物語というと中高生時代の古典の授業で登場すると思いますが、作者不詳で一説では琵琶法師によって口承で伝えられてきたともされています。「祇園精舎の鐘の声」から始まる冒頭や「敦盛の最期」、「扇の的」くらいは中学校の授業でもやるはずなのでまあ誰でも知っているとは思います。こういった軍記物語としての平家物語を独自の解釈を加えてアニメ化したものという認識が一番良いと思います。主人公のびわが語り手として過去の出来事を語るという構成で物語が始まっていきます。びわが生まれながらに持つ「未来を見ることが出来る右目」と平重盛が持っており、彼の死後にびわが受け継いだ「亡者を見ることが出来る左目」がこの作品においての平家物語の独自の解釈を彩っています。この2つの目の能力を持っていたからこそ、実際にその場で出来事を目撃していないにも関わらず、びわはそれらの光景を物語として語ることが出来たという訳ですね。アニメとしてのロジックは比較的単純な作りであるにも関わらず引き込まれるのはノンフィクション的な歴史上の出来事を面白く見せる工夫が成されてることですね。本来、歴史上の出来事なんて都合の良いような展開なんてことはないはずなんですが、それを物語として見ていて面白いものにしている点や原作の平家物語の世界観をしっかりアニメ映像に落とし込んでいるのが面白さの要因だと思います。誰もが知ってる有名なシーンを上手いタイミングで織り交ぜてくるのアニメが上手すぎますマジで。物語を全て終えた後でびわが「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。」と締めるのがホントに素晴らしかったです。原文の祇園精舎の鐘の音には、諸行無常の響きがあるっていう表現をした作者は1000年に1度の天才だと改めて認識させられたアニメでした。

 

  • 再放送・過去作(配信サービス視聴)枠

 この枠は2021年度下半期に再放送枠や個人的に配信サービスで見た作品を紹介してます。いつもだと基本的に続編放送前に過去のシリーズを見ようってなった作品が多いですが、今回はそもそもこの枠が少ないのはありますね。2021秋クールが放送中の作品を追いかけるので精一杯だったせいで過去作に割けるリソースがあまりなかったって感じです。

 

うたわれるもの (2006年春~夏)

評価 S

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元がR18ゲームという本作ですがアニメはそういったアダルトゲーム的要素はほとんど排されている形となっています。元となったゲームのシナリオのクオリティが高いというところもあるのだと思いますが、アニメ化という点で非常に丁寧な作りをしており、原作の雰囲気を損なわないようにしているのだということがシリーズ初見の自分にも伝わってきました。序盤は記憶喪失の主人公のハクオロが田舎の村からやがて一国の指導者となるまでの流れを、中盤はハクオロの国に敵対し、侵攻する国々との戦いを描いています。後半にて、今までの世界観を大きく覆すような人型ロボット兵器が登場することでやがてはハクオロ自身の正体や世界の成り立ちについての核心に触れていくという形です。このレベルの内容のアニメが2006年時点で存在することも驚きですが、大元のPCゲームは2002年に発売されていることから、アニメ以前にこのストーリーが存在していたという事実に素直に感銘を受けます。この作品が後の数々の作品に対して、部分的に影響を与えていることは想像に難くないと思います。あとは曲が名曲揃いで自分と同世代のアニメオタクなら聴いたことはあるという人も非常に多いと思います。最終回のEDで流れる「キミガタメ」とかホントにすごいんで、ぜひアニメを一通り視聴した上で聴いて欲しいなと思います。今、続編の「うたわれるもの 偽りの仮面」が再放送していて、7月からさらにその続編となる「うたわれるもの 二人の白皇」が新規スタートするので是非オススメしたいシリーズとなっています。自分は再放送で偽りの仮面を履修して、その流れで二人の白皇を見るつもりです。

 

true tears (2008年冬)

評価 A

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前々から気になってはいたもののずっと見ずにいた作品。dアニメストアでの配信が1月いっぱいで終了してしまうということで慌てて一気視聴しました。P.A.WORKS最初期の作品としても知られるこの作品ですが、その後現在に至るまで数々の作品を世に送り出してきた片鱗を垣間見ました。思春期の少年少女の甘酸っぱい感じの恋愛模様を非常に良く描いてる作品だなと思いました。今の自分の年齢になって思う、思春期特有のありがちなよく分からないアレなんだったんだろうな~のアレがしっかりと表現されているんですよね。(めちゃくちゃ抽象的ですみません。) 序盤で主人公の眞一郎と乃絵・比呂美の三角関係の王道恋愛物かな~と思わせておいて、乃絵の兄の純がめちゃくちゃ介入してきたり、眞一郎の親友の彼女の愛子が眞一郎のことを好きであるような言動をとってきて途中からぐちゃぐちゃになっていくのが個人的にはめちゃくちゃ好きでした。最終的に眞一郎と比呂美が結ばれる結末なのも意外でしたし(どう見ても比呂美の方が負けヒロイン感ありますよね?)、純が最後乃絵にガチな方のシスコンであることを告白するのもかなり衝撃的でした。最後の乃絵の涙の理由については視聴者側に考察の余地があるのも良いアニメだなと思います。

 

  • OVA・特番・放送遅れ枠

 この枠は制作過程の諸事情等でテレビシリーズの続きをOVAで制作したり、長めの尺を取って特番で放送したり、また、放送スケジュールにズレが生じてやむなく延期になってしまった作品等を紹介する枠です。

 

魔法科高校の劣等生 追憶編 (2022/1/1放送)

評価 B

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 うーん、これ今更気づいたんですけど、魔法科のスタイルのラノベ原作作品のアニメ化って時代についていけなくなってきてる気がしましたね。魔法科の原作って基本的に理系の論文読んでるみたいな感じで魔法の説明とか世界観の説明とかしてるんですけど、当然アニメでそれを事細かに説明するととんでもない退屈な作品になってしまうので、アニメ化にあたってそういった説明は省いてノリと勢いとお兄様のカリスマ性で面白い作品を作り上げたっていう感じがありました。ただ、これが通用してたのって1期制作時の2014年頃の話だったんですよね… 今となっては周りの作品のクオリティも上がり、世界観も作り上げて、映像美や演出等による盛り上げが上手い作品が増えた結果、世界観の説明が不親切な魔法科のアニメは相対的に置いていかれてしまったという感じですね。アニメのみ勢だと下手したら追憶編の時系列すら怪しい人もいたんじゃないんですかね… 一応時系列順は追憶編→1期→2期→映画となっています。(原作の順番は1期→追憶編→2期、映画はアニオリ) 深雪がいかにしてお兄様大好き人間のキモウトとなってしまったのかが描かれているのですが、基本的に何が起こってるのかアニメだけでは分からなかった上に、年明け早々の寝ぼけた脳みそでこれ見ても全くついていけないと思います。映像化の続編の発表はありましたが正直2年生編以降を映像化してしまうとキリの良い場所が最終巻までないのでちょっと心配です。(映像化済みの1年生編は1~11巻、未映像化の原作は12~32巻です) どうせ2期とかやるんだったらもっと早くやっておけば良かったと思うんですけどね。もう時代の流れに追いつけないですよこの作品。

 

86 -エイティシックス- (22話・23話) (2022/3/12・3/19放送)

評価 A→Sに修正

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 2021年秋クールでの第2クール目の放送となっていましたが、終盤に万策尽きた形でラスト2話の放送がこの時期まで延期となっていました。基本的に毎週の連続放送のテレビアニメにおいて、延期とかで時間が空いちゃうのは視聴者側のテンションとか内容面での記憶とかを考えると結構な減点要素だと考えているんですけどそれを考慮してもSの評価なのは本当にラスト2話が良すぎましたね。22話にてキリヤが自爆の直前にフレデリカを守ったシーン、ミリーゼの生存が明らかになった時のシンの反応とシンの視点とミリーゼの視点を上手く使い分けて視聴者に見せる演出、23話にてミリーゼが決意を新たに連邦に赴く展開、連邦に到着後戦友の86たちの慰霊碑にて思いを馳せるシーン、シンたちがミリーゼにサプライズして再会(厳密には初対面)を果たすシーン全てが良すぎました。音楽や映像による演出、その他描かれる物や背景等々による隠喩全てが意味のあるものとなっていました。正直序盤では固有名詞の多さとか世界観の理解に苦しみ評価はCとかにしていたんですけど、最終的にこの評価になったのはかつて類を見ない大快挙でした。もし、放送スケジュール通りにこの内容が放送されていたら95点だったんですけど、遅れの分の5点減点ということで90点のS評価とさせていただきます。

 

  • 映画枠

 この枠はアニメ映画作品を紹介する枠です。映画館ではなく、配信サービスで観たアニメ映画もここに含めています。映画は映画館による雰囲気とか音響とかの違いが大きいので通常のテレビアニメと基準は変わると思います。なので、評価は振れ幅を広く持たせた値ということにしています。

 

劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 (2020/10/16公開)

評価 A-~A

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いや、ようやく重い腰を上げてこの作品を観ることができました。流石に地上波で放送してくれるなら労力も少なくて済みますからね。というのも公開当初はどこの映画館もとんでもない人数が客入っていたのでちょっと映画館に観に行く気が失せてしまって落ち着いたらにしようと待っていたんですが、余りにも空前の社会現象になってしまって、1ヶ月経っても人は減らず、そのままコロナの猛威が再燃してしまったので完全に映画館で観る機会を失ったという次第です。ただ、こうなってしまうと流石にネタバレ回避は不可能で煉獄さんが最後死んでしまうってくらいのレベルの内容は知ってしまった状態で観ました。結論から言うと流石にアニメ1期と比べると遥かに面白かったなと思います。映画の尺という時間の縛りがあることで、冗長なギャグシーンとかもあまり無く、テンポもかなり良い感じだったと思います。加えて、ラストの煉獄さんの戦いのシーンと煉獄さん自身の回想を描いてることで、煉獄さんの死に感情移入できるようにしていたのもすごく良かったです。問題はこの時点ではやっぱり炭治郎たちがそこまで必要のある存在には感じにくく、本映画単独で考えるとやはり煉獄さんに強くスポットが当たっているような気がしてならないと思いました。ここは原作の内容面の問題であるのでしょうがない部分ですがそれ以外の面で考えると、ufotableはめちゃくちゃ頑張ってると思います。問題はこの先の2期以降の放映にどんどん大人の事情的なのが積み重なって、作品以外の面で不快指数が跳ね上がり続けていることですが、その話は2期終了時の感想でということにします。

 

劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア (2021/10/30公開)

評価 A+~S

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ここにきてミトとかいう新キャラを加えてSAOPを再編成するということで流石にそれはもう無理があるだろ…って感じで観にいきましたけど、完全に見終えた後で掌返しました。ミトというキャラの立ち位置をすごく良い塩梅に置いていたので、全く別の内容になってしまうギリギリのラインを上手くついてアスナ視点の新しいSAOPの物語を展開していたと思います。あくまでも今回の映画はアスナが主人公であるという側面の上で作られており、キリトの存在もアスナの心情の変化におけるキーマンという位置付けだったのが新鮮でした。特にアインクラッド第1層の内容はテレビアニメ1期でも描かれているため、それを観ている人にも新鮮な感覚で観てもらえるようにというこだわりが感じられて良かったです。個人的には冒頭からタイトルロゴが出るまでのベータテスト終了間際を描いた一幕がすごく好きなシーンで、ベータ時に誰よりも最前線まで登ったキリトとキリトにあと一歩及ばず迷宮の扉の先の光景を見ることができなかったミトの様子が、本サービス開始後の2人のことをよく表しているんじゃないかと思いました。映画は続編が決まっており、プログレッシブ原作4巻の「冥き夕闇のスケルツォ」(アインクラッド第5層)の内容ということですが、当然ここにもミトが登場するはずなので、今後もさらにプログレッシブの映像化は続いていくのかなと思ってます。そういった面から考えても、今作の冒頭のベータテストのシーンが暗示するものは今後ますます重要になるんじゃないかと勝手に思っていたりします。映像面に関してももう全く文句なしで、順当にファンが求めている方向に正統進化してると思いました。ただ、主題歌に関してはもっとアップテンポな感じの曲でも良かったんじゃないかと個人的には思っちゃいましたね。SAOのしかも最序盤の物語の始まりという内容にしては少し大人しすぎるような曲調だと感じました。あとは今後の映像化にミトが登場する上で原作と大きな矛盾や内容の乖離が生じないことだけは切に願っています。

 

アイの歌声を聴かせて (2021/10/29公開)

評価 A~S-

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AI技術の発展途上の近未来の日本で、企業によるAI技術の実験都市となっている街が舞台です。主人公の悟美の学校に詩音という転校生がやってくるのですが、彼女は実は悟美の母が開発した試験段階のAIを搭載したアンドロイドであり、その事実を知ってしまった悟美と4人のクラスメイトが詩音の突飛もない行動に振り回されながらも、試験が上手くいっているように奔走するといった内容です。物語の序盤ではクラスから孤立している悟美ですが、詩音の行動をきっかけに事情を知る4人のクラスメイトとの仲が深まっていくという王道青春物って感じの展開があり、中盤から終盤にかけては詩音の突飛な行動が明るみになり、彼女を廃棄処分したい企業側の人間と、彼女を仲間として認め、取り戻そうと奮起し行動する悟美たちの対決の様子が描かれるという展開となっています。大筋は王道って感じの内容ですが、最後に詩音がなぜ悟美を幸せにするべく突飛な行動を繰り返していたのかということに対する真相が明らかになり、個人的にはなるほどとすごく納得のいく説明でした。また、詩音の土屋太鳳さんの演技が自分達がイメージするAI特有の機械的な話し方がとても良く表現されており、その点もポイントが高いです。AIという昨今ありふれたテーマを扱う上で、進化し続けたAIが人間に対してどのような接し方をするのかというのは作品ごとに様々な描かれ方がされますが、この作品ではAIたちの行動は人間を幸せにするという方向性で一貫しており、それらの善悪の判断は人間側の解釈によって決まってしまうという描かれ方をしていたと感じました。青春物の作品としても楽しめますが、AI技術という物に対して、科学的視点から作品を見ることでより作品を理解することができる良作だったと思います。

 

フラ・フラダンス (2021/12/3公開)

評価 A-~A+

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福島県いわき市にあるリゾート施設にてフラガールとして働く新人社員の主人公・夏凪日羽とその同期の仲間たちの成長を描いた作品です。総監督・水島精二、脚本・吉田玲子ということで個人的にはそこそこ期待して見に行ったのですが、期待値以上の作品でした。序盤は結構ゴリゴリのお仕事アニメって感じで、日羽の苦悩を見て自分も苦しくなってましたが(自分も新人社員なので)、日羽が休みの日にご当地アイドルグループの「いついろディライト‼︎」のライブに行った辺りから加速度的に物語が盛り上がってきて非常に楽しめました。というか、あのライブシーン見せられてテンション上がらないオタクいないでしょ(ライブシーンの一部がアニプレックスYouTubeチャンネルに上がってるので是非見てください)。日羽の失恋のエピソードとかもそうですが、他の4人にも個々のエピソード的なのがしっかり描かれていたので、ボリューム感もあったと思います。そして、フラダンスの大会で5人が「いついろディライト‼︎」の曲で踊る展開がホントに個人的には好きで、映画館じゃなかったら多分コールしてました。基本的には満足なんですが、日羽の亡くなった姉である真理の魂が日羽のぬいぐるみに宿ってるっていうのはちょっと異物感あるというか、ファンタジー要素入れなくても良かったと思うんだけどってなっちゃいました。東日本大震災のことをところどころで思わせるような作りであり、被災地応援プロジェクトの一環としても相応しい作品だと思います。

 

劇場版 呪術廻戦0 (2021/12/24公開)

評価 S-~S

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テレビシリーズのクオリティのことを考えると当然面白いことは約束されていたようなものだったのですが、正直想像の10倍面白かったですね。ストーリーとしてはテレビシリーズの約1年前の話で、外伝的立ち位置となります。主人公の乙骨憂太と彼に取り憑いた特級呪霊の祈本里香を中心とした内容と共に、テレビシリーズでもおなじみの五条悟等のキャラクターについても描かれています。基本的に映画だけでも完結する構成となっていますので、シリーズ初心者でも問題無く楽しめるという作品と言える点もポイント高いです。加えて、作画の出来は物凄いものであり、現代アニメーションの最先端の技術の粋を結集したと思われる出来だと思いました。あと公開日が作中でキーとなる12/24なのも粋なところだと思いました。令和の時代におけるダークファンタジー作品の代表格としての側面を存分に見せ付けてくれたので、アニメ2期も期待したいと思います。

 

グッバイ、ドン・グリーズ! (2022/2/18公開)

評価 A-~A

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宇宙よりも遠い場所」のスタッフによる新作オリジナル長編アニメということで、世間的なハードルは高いのによりもいより面白いことなんてそうはないだろうというあまり期待されて無い感もあったちょっと不遇な作品です。個人的な結論を先に述べると流石によりもい超えとはいかなくとも期待していたよりは面白かったという感じですね。話の構成が練りに練ってあって最後の最後に種明かしされるまで観ている側にタネの内容を予想・推理させにくくしてるのが上手いと思いました。ロウマとトトが中学の卒業式にかけた国際電話の頭の数字が間違っていて本来かける予定の国と違う国にかかっていたことがドロップとの出会いに繋がっていたというのは、実のところ冷静に順を追って考えるとそこまで推測するのが難しいことでは無いと思うんですけど、過去回想等で時系列を上手く入れ替え、観ている側に推測の隙を与えない感じが効いていると思いました。一方、こういう構成の都合上、作品自体がかなり難しいものとなっており、単純な作りでも問題ないはずの部分までもが複雑化している気がしました。チボリ関連の話とかもっとあっさりしてても良くない? 常に色々と考えていないといけないというか強制的に考えることをさせるような構成になっているので、そこが上手い点でもあり、難しいところという観る側の視点によって観え方が結構変わる作品だなと思いました。

 

 以上、番外編の2021年度下半期のブログでした。同じ内容の2021年度上半期の分は同時これと同時(え?)に公開してるので、是非読んでいただければと思います。そっちの方でも書いてますが、2022年冬アニメの感想とかはシャーマンキングの最終回後に出すので2週間後とかのつもりです。

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