rubidium-37’s blog

やりたいことしかやらん

2021年秋アニメ(個人的)総決算 後編

 どうも、ルビジウムと申す者です。少し遅れてしまいましたが2021年秋アニメの振り返りということで、総決算と題して個人的な感想・評価を述べていきたいと思います。

 

 前回からの続きと言うことでこの記事では評価A~Sの作品について書いていきます。3回に分割して投稿してしまいましたがこれで本当に最後です。前々回および前回の記事のリンクは以下に貼っておきます。

rubidium-37.hatenablog.com

rubidium-37.hatenablog.com

 

 ここからはネタバレ等もあるので注意してください。(22年冬クール以降に続く作品に関しては21年秋クール時点での暫定評価です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A(80~89点)

やくならマグカップも 二番窯(2期)

f:id:rubidium-37:20220115230207p:plain

 15分アニメでAの評価にしているので、もしこのクオリティで30分の作品だったらさらに上の評価にしていたと思います。それだけクオリティの高い作品でした。1期同様前半15分アニメ、後半15分声優バラエティパートで、EDと予告は声優パートが終わったあとという構成なので泣く泣く声優パートを視聴しなければなりません。女性声優が好きでもアニメのノイズになるようなことはして欲しくないんですよ、ホントに。円盤に収録すればいいような声優パートはともかくとして、アニメパートについては恐ろしく出来が良かったですね。1期の時と比べて単純にアニメの質が上がった気がします。キャラクターが1期に増してすごく可愛く見えるように描かれているんですよね。それでいて内容の面でも十子先輩の陶芸を通じてのお祖父さんとの関わりや作品作りでの悩み・葛藤の部分や、姫乃がお母さんの作品を意識してしまい、上手く作品作りに身が入らないといった部分についてなどを数話かけて丁寧に描いていました。登場人物の成長とそのきっかけというところを描いてくれるのは部活系物の作品としては必要不可欠な部分だと思うのでその点が特に良かったですね。作画のクオリティとか内容の面白さとかが突出してるというよりは、各要素の総合力が非常に高くこれぞアニメーションという感じの良作だと思います。

 

takt op. Destiny

f:id:rubidium-37:20220115230235j:plain

 異形の怪物D2によって世界の秩序が乱れ、荒廃し、娯楽としての音楽が失われた世界で音楽の力を宿したムジカートと彼女たちと契約したコンダクターがD2と共に戦うという内容です。ストーリー展開も戦闘シーンも基本的にはかなり面白いと思いました。コゼットの肉体に宿ったムジカート・運命はコゼットとしての人格は持ち合わせておらず、最初は機械的にD2の殲滅を行うだけでしたが、それが少しずつコンダクターの朝雛タクトやコゼットの姉のアンナの心を知り、人間らしい側面が出てくるのが非常に良かったと思います。戦闘シーンもかなり気合いが入っており、序盤のモブD2との戦闘はもちろん、終盤のムジカート同士の戦いや最終回の運命と地獄のオルフェの戦闘などもクオリティが高かったです。最終回で消えた運命に代わり、アンナが新たな運命になるといった具合でアプリに続く展開でしたで、気になる感じ終わってしまうのが残念ですが、アニメはアニメでタクトと運命(コゼットの姿)の戦いを描いたという一区切りで見るとキリはいいかなと思っています。作中でタクトが作曲していた曲が結局のところどうなったのか、タクトの願いが届き、世界に音楽が取り戻されたのかというところがアニメのラストでもう少し描かれていたらもっと高評価にしてたかもしれません。

 

白い砂のアクアトープ(第2クール)

f:id:rubidium-37:20220115230253p:plain

 P.A.のお仕事アニメ第2ケールです。第1クールではがまがま水族館を舞台に主人公のくくるが奮闘する話でしたが、第2クールは舞台をアクアリウム・ティンガーラに移し、新人社員として入社したくくるが描かれています。がまがま水族館での経験を活かし、飼育員を希望していたくくるですが、営業部に配属され、慣れない仕事の中で奮闘していきます。営業という自分が望んでいなかった立場で生き物と関わるくくるの葛藤とかがしっかりと描かれているので、もろお仕事アニメって感じです。基本的には順当に面白いんですが、いかんせん登場人物が増えた割にはその増えた登場人物全員を掘り下げる尺が少なく、最後の方はくくると風花以外の登場人物については少し雑に処理したような感じがあったのは少し残念でした。櫂くんはくくると仲良くて恋愛的な方向に発展するのかなって思わせといて、父親が倒れたので休職するって形で最後の方突然いなくなりますからね。パワハラ柱でお馴染みのくくるの上司の副館長も以前は銀行員であり、経営破綻した水族館を担当していてあーだこーだってくだりもかなり最終盤に突然ぶっ込んできたんで、タイミング的にも視聴者的にはそっか〜としかなりようがない感じだったと思います。とはいえ、キジムナーの要素も含めて第1クールから広げてきた要素を回収して、視聴者の想像とかに投げたりしないようにしていたのはポイント高いです。あとはOPが第2クールも歌詞が本編に合っていてすごくいい上に、最終回は第1クールのOPのたゆたえ、七色をフル尺で流してしめてくれたのでそれだけでもう大満足でした。

 

シャーマンキング(新作 第3クール)

f:id:rubidium-37:20220115230552j:plain

 引き続きの放送になりましたが第3クールはシャーマンファイト本戦と葉とアンナの出会い(恐山ル・ヴォワール編)がメインの内容だったなと思います。各陣営の勢力図がはっきりしてきたり、葉陣営の面々がパワーアップしたりと少年漫画らしい王道バトル展開が続いてるのでホントに安心して楽しめます。また、過去回想編となる恐山ル・ヴォワール編は初々しい葉とアンナのやり取りとかが見れるのでホントに必見です。アンナがヒロインで本当に良かった。もちろん本筋であるマタムネと葉の関係性についてもしっかりと描かれていて原作も旧アニメも未履修でも感動できる素晴らしい内容でした。多分第4クールは最終盤だと思うんですけどいよいよ敵も味方も強くなりまくってインフレする頃だと思うんで楽しみになってます。バトル物はインフレしてなんぼなんで。

 

ジャヒー様はくじけない!(第2クール)

f:id:rubidium-37:20220115230658j:plain

 前期から引き続きジャヒー様とその周辺の登場人物たちが繰り広げる日常ギャグ作品です。第2クールでは魔法少女と魔王様が新たにメインキャラクターとして加わり、さらにパワーアップした感じです。(自分はこの2人そんなに好きではないんですけどね) ジャヒー様と他のキャラクターたちのテンポの良い掛け合いはそのままに、人間界に来てからのジャヒー様の心境の変化が描かれていて良かったです。人間界に来てから共に過ごしてきた人たちを大切に思うようになったジャヒー様を描くことで日常コメディの中にほのぼのとした気持ちを感じることができました。ちなみにOPでの臥薪嘗胆ゲーム(え?)は成功することなく最終回を迎えてしまいましたので心残りですが、土曜深夜最遅にも関わらずあれだけ実況が盛り上がったのもこの作品が素晴らしいからの一言に尽きると思います。

 

トロピカル〜ジュ!プリキュア(第3クール) 27話(9/5放送)~40話(12/12放送))

f:id:rubidium-37:20220115230717j:plain

 41話が総集編的な役割だったので第3クールの区切りはここにしたいと思います。第3クールはお決まり的な感じで敵が強くなり、それに伴ってプリキュア側もパワーアップする展開があるわけですが、その過程でローラの故郷であるグランオーシャンに行って、まなつとローラの本当の出会いについて過去の話が明らかになったり、今後ラストに向けた含みを持たせるような構成になっていて良かったですね。他にもさんご、みのりん先輩、あすか先輩の個別回もしっかりと掘り下げてやってくれたので丁寧に作ってあると思います。特に序盤からずっと引っ張ってきた、あすか先輩と白鳥生徒会長が和解する回が個人的には特に好きな回です。いよいよ、ラストに向けて風呂敷をたたみ始めたのでどういう感じで結末を迎えるのか非常に楽しみです。

 

月とライカと吸血姫

f:id:rubidium-37:20220115230749p:plain

 宇宙飛行士候補生の青年レフと有人宇宙船飛行の実験体の吸血鬼の少女イリナが出会い、共に宇宙を目指す過程を描いた作品。舞台となる世界観はフィクション上の国々ですが、吸血鬼という種族が存在していることを除くと状況としては米ソ冷戦時代の感じがかなり近いとは思います。ちなみにレフ達がいる国である共和国が旧ソ連モチーフで宇宙船技術開発で共和国と争っている連合王国アメリカモチーフだと考えています。序盤はイリナの訓練監視役に任命されたレフとイリナの出会いから始まり、イリナの実験飛行、そして、レフの人類初の宇宙飛行という構成です。起こることの大筋の予想がついているのにも関わらず、ここまで話を面白くできるのは表現の仕方や話の組み立てが上手いからこそだと思います。イリナとレフがお互いに恋愛感情を抱くだろうっていうのは起こりうる展開として予想がつきますけど、そこに至るまでの構成も上手いですし、イリナの初の宇宙飛行士としての偉業が国家の方針で無かったことになるという展開も当然予想がつく訳ですが、これに対しての作品としての答えがあの最終回に全て詰まっていてホントに素晴らしかったです。予定調和的な物語をここまで面白くできるのはすごいと思いました。あとこれは個人的な好みの話ですが、OPがアリプロでイリナのCVが林原めぐみさんなのも流行りの人選とかに影響されてる訳でなく、本当にこの作品に合うのは誰か熟考した上での人選って感じでそれもすごく好きです。

 

86 -エイティシックス-(分割第2クール)

f:id:rubidium-37:20220115230919p:plain

 22・23話が3月に放送延期になってしまったのでとりあえず現状の位置だけ記載しときます。感想等は最終回終わったらということで。ちなみに本当にフレデリカが好きです。

2022/4/10追記

以下の記事に22話・23話の感想を含めて最後の評価を出しています。

rubidium-37.hatenablog.com

 

ブルーピリオド

f:id:rubidium-37:20220115231243j:plain

 絵とは特に縁のない人生を送ってきた主人公の八虎がある日高校の美術室で見た絵に惹かれ、絵に興味を持ち、やがて東京藝術大学への受験に挑戦していく物語。テーマが芸術ということで明確な解答や善し悪しというものがないため、題材として突き詰めていくのが難しいと思いましたが、絵を描く上での技術的な話や画材・その他手法的な部分についてはあまり突っ込んだ話はせずに、作者と作品のテーマという部分に焦点を大きく当てて物語を構成しているので絵についてわからなくても、登場人物たちに感情移入できると思いました。特に八虎が自信の中で考えてることを言語化して視聴者に伝えてくれるので、シンプルな方法でありながら視聴者に理解させるうえで効果的だったと思います。この作品で描かれる八虎の葛藤というのは何も芸術の世界だけに言えることだけでなく、現実のどんな物事にも当てはまるようなことが多いので、単に見てるだけでなく、考えさせられるものがある部分が多く非常に面白い作品でした。

 

王様ランキング(第1クール)

f:id:rubidium-37:20220115231317j:plain

 流石に今期アニメの王に相応しい作品だと思います。両親が巨人族でありながら身体が小さく非力な上に、生まれつき耳が聞こえず言葉が話せない主人公の王子・ボッジがカゲという友人を得たことにより人間として大きく成長していく話です。この作品はシンプルにストーリーが面白いですね。ボッジ自身は言葉を話すことができないのでカゲが通訳するか、手話の内容を周りの人間が声に出すことでしか視聴者はボッジの言葉を知ることは出来ないのですが、言葉が無くとも視聴者にボッジの心境が伝わるように表現の工夫が為されているのが素晴らしいと思いました。加えてボッジ以外のキャラクターも魅力的に描かれているのでボッジがメインではない回も非常に面白いです。自分は特にヒリング王妃が好きですね。あとは第2クールでもっとカゲの役割とか見せ場的なのが増えてくれると嬉しいですね。現状はボッジの通訳的なポジションに収まってしまってる気がするので少し勿体ない感あります。第2クールではパワーアップしたボッジがどんな戦いをするのか、どんな結末を迎えるのか非常に楽しみな作品です。

 

大正オトメ御伽話

f:id:rubidium-37:20220115231337p:plain

 いや〜、完全に大正萌え萌え御伽話ですこれは。個人的には1番2021年秋アニメで1番好きな作品です。タイトル通り大正時代が舞台で主人公の志磨珠彦は事故で右腕の自由を失い、家族から別荘に厄介払いされているところに借金のカタとして志磨家に買われた立花夕月がやってくるという話です。本当に女の子キャラが魅力的で夕月はもちろん、珠彦の妹の珠子、珠彦の家の近くに住む綾さん、アイドル歌手のことりちゃんといったサブヒロインも各々見せ場があって良かったと思います。終盤の関東大震災を経て、珠彦と夕月がお互いの愛を確かめ合う展開がこれぞ大正ロマンスって感じで非常に良い作品だったと思います。技術の発展で背景の作画だったりキャラのモデルがどんどん現実の物に寄っていく中で、こういった作風の良質アニメが残っていることは嬉しいことだなと改めて思いました。

 

 

S(90点~)

無職転生 -異世界行ったら本気だす-(分割第2クール)

f:id:rubidium-37:20220115231420j:plain

 この作品がなろう原作アニメの頂点です。異論は認めません。まずなんと言っても作画が素晴らしいですよね。キャラクターの動きとかももちろんですが、背景がキャラクターのタッチと違和感ないようになっていてキャラクターが浮いているように見えたりしないというのでものすごく手間と工夫が凝らされているんだと思います。現代アニメの最高峰と言えるレベルの作画を安定して毎週維持していることに加え、ストーリーの構成という点でもしっかりと山場と言えるポイントを何ヶ所か作って盛り上がる部分と、落ち着いた雰囲気の内容を上手く組み合わせて単調なテンポにならないようになっていたと思います。第2クールは基本的にエリスがヒロインポジションで固定でしたが、ルーデウス、エリス、ルイジェルドの3人での冒険を経て、エリスの成長・心境の変化を一通り描ききったところで次の区切りに移るような流れまでしっかりとやってくれたので、エリスがより1人のキャラクターとして際立っていたと思います。続編の制作も確実視されてると言われていますが、最終回の感じ的に魔法大学編でシルフィ(と思わしき人物)と再会する展開になっていくのかと思うとワクワクしますね。良い意味でのおれたたENDなので1期の終わらせ方としても申し分ないと思いました。

 

 ということでここまでが2021年秋アニメのA~S評価の作品でした。ここに位置につけてる作品は予想通りのラインナップな感じはありますけど、S評価のポテンシャルのある作品だと思って期待していた割には伸び悩んでしまった作品も結構あったかなって思いました。もちろん、そうは言っても充分面白いことには変わりないんですけどね。

 個人的な都合で10・11月がほとんどリアタイできていなかったのは口惜しいところでしたが、最終的には無事完走できたのは一安心です。そのうち放置していたブログシリーズ(アニメ感想記事番外編・大逆転裁判2感想・プランダラ学会論文)も書くのでそっちもよろしくお願いします。