rubidium-37’s blog

やりたいことしかやらん

大逆転裁判1感想

 どうも、ルビジウムと申す者です。今回は珍しくゲームの話題というところでついこの間クリアした大逆転裁判1の感想を軽く書きたいと思ってます。

 

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 そもそも、今更なぜ2015年のゲームをやったのかという話ですが、発売当初、高校生だった自分には単純にプレイする時間的余裕がなかったのです。その後高校卒業後に時間的余裕はできたものの、この頃には既に続編の発売が決まっていたため、そのうち完全版が出るだろうと高をくくって、急いでやる必要もないかと放置していたのです。結論としては2021年の7月29日に大逆転裁判1と2がセットになった完全版がSwitchとPS4、Steamで発売され、ようやく自分もプレイに至ったという訳です。

 

 ということで、各話について軽く感想を述べたいと思います。一応、自分は歴代シリーズは「1~6」と「VSレイトン教授」はプレイしていたので、それらと比較しての5段階評価をつけています。難易度は単純な難しさ(☆の数が多いほど難しい)、ストーリーはそのままストーリーの面白さの評価です。論理的展開は少し説明が難しいですが、犯罪に使われたトリックや証人の嘘を暴いていく際に、解法が論理的であるかの評価です(結果ありきの答えだったり、論理的に考えても追うのが難しい可能性の線が答えだったりすると著しく評価は下げています)。

ちなみに6年も前のゲームなので今更ネタバレに配慮するつもりはありませんが、もし今後自分でプレイするつもりのある方はブラウザバックされるのが賢明だと思います。

 

 

第1話

難易度   ☆☆★★★

ストーリー ☆☆☆★★

論理的展開 ☆☆☆★★

 

 物語は明治初頭の日本が舞台。主人公、成歩堂龍ノ介がとある事件の殺人容疑で被告人として裁判にかけられるところからスタートします。日本に司法制度ができて間もない中で、大学生ながら数少ない弁護士の資格を持つ、親友の亜双義一真が急遽、成歩堂の弁護をすることになりました。しかし、裁判直前、成歩堂は亜双義の先生から、この裁判で負ければ亜双義の今度の弁護士としてのロンドン留学の話はなかったことになるだろうと聞かされます。そして、先生は、亜双義はこの裁判に「弁護士」として立つべきでは無いともいい、成歩堂に裁判が始まったら裁判長の最初の質問に誰よりも早く「それは私です」と答えなさいと付け加えます。開廷後、裁判長の最初の「本日の裁判の弁護人は誰であるか」という質問に成歩堂は真っ先に「それは私です」と答え、被告人でありながら自らを弁護する形で初めての法廷に臨む、そんなストーリーです。

 シリーズ、恒例の第1話のチュートリアル裁判ですが、それなりにボリュームはあり、難易度も歴代シリーズと比べると高めです。とはいえ、システム面等に関しては亜双義の説明があるので基本的に歴代シリーズを既プレイの人は大きくつまづくことは無いという感じでした。肝心のトリック等の話ですが、被害者の本当の死因が毒殺であることが裁判を進めていくと明らかになるのですが、なんとその毒が明治での日本ではまだ未発見の毒なので、日本の警察の技術では被害者の飲んだ飲み物のボトルから毒を検出できないという犯則級の展開があります。ボトルから検出されないなら絶対グラスに毒が仕込んであったんだろって、いせスマ(某アニメの話です)の展開を期待してたのに想像の斜め上過ぎて横転しました。

 ストーリーに関しては、いつも通りの第1章という感じで物語の始まりを予感させる展開なのですが、裁判の末、この事件の真犯人が明らかになるのにも関わらず、その人物が英国人であることから領事裁判権(中学の歴史の教科書にも載ってるアレです)が発動され、普通に帰国してしまうというなかなかの胸クソ展開を見せつけられてしまいます。

 

第2話

難易度   ☆★★★★

ストーリー ☆☆☆☆★

論理的展開 ☆☆☆☆★

 

 舞台は変わってロンドン行きの船の中。日本の弁護士の留学生としてロンドンに向けて出発した亜双義と彼に一緒についてきて、自分の成すことを見届けて欲しいと頼まれ、密航という形でついてきた成歩堂。船員に見つからないようにクローゼットの中で潜伏して過ごす日々を送っていましたが、ある朝、成歩堂が目を覚ますと自らに手錠がかけられており、亜双義が殺害されたことを知らされます。犯行現場は密室であったことから密航者である成歩堂に亜双義殺害の罪も着せられてしまいます。成歩堂は自らの無実を証明するため、亜双義の助手として同行してきていた寿沙都と共に事件を捜査する、という内容です。

 歴代だと第2話以降は探偵パートと裁判パートの2つに分かれていましたが、今作の第2話は探偵パートのみという構成です。今作オリジナル要素のシャーロック・ホームズとの共同推理のシステムに関するチュートリアルの側面が強いという印象でした。難易度としては歴代の中でもかなり易しい部類だったと思います。トリックの推理に関する論理性も納得のいく物で(選択肢が少ないが故の部分もありますが)、共同推理のチュートリアルという点を考えると良い作りだったと感じました。

 ストーリーに関しては、寿沙都やシャーロック・ホームズといった主要キャラの本格的な登場もあり、いよいよ始まってきたなとワクワクさせられる反面、シリーズお決まりの師匠ポジションのキャラが退場するという展開もあり、良い意味で逆転裁判らしさがあって良かったと思います。事件解決後、成歩堂は亜双義の遺志を受け継ぎ、弁護士となって彼が成すつもりだったことを代わりに成すことを誓うという幕引きです。ここまでは被告人・容疑者という立場で事件に関わっていた成歩堂が今後、弁護士として事件に向き合うという点で、ここからが真の始まりともいえるかもしれません。

 

第3話

難易度   ☆☆★★★

ストーリー ☆★★★★

論理的展開 ☆☆★★★

 

 いや、個人的にこの話はこっちが異議あり!!って叫びたい場面が何回もありましたよ… ロンドンにたどり着いた成歩堂と寿沙都。留学継続の許可を得るためには成歩堂が亜双義の代わりの弁護士たり得ることを示さなければならず、英国で弁護士として認めてもらう為に、主席判事であるヴォルテックスから試験を課されることに。その試験が本日行われる、ある裁判で無罪判決を勝ち取ることであったという始まりです。

 第3話でありながらも、調査パートは無しで即裁判パートとなります。ライバル検事ポジションのバンジークス検事もここから登場です。この話で初めて陪審員制度が登場する関連もあり、難易度は第3話にしてはそこまで高くないですが、いかんせんプレイヤーも事件の詳細を何も知らないところから裁判が始まるので、情報を取得・整理するのに苦労する印象を受けました。中でも、裁判パートの途中で煙玉が投げ込まれ、一時的に裁判が中断されるという展開があるのですが、なんと、再開後に証拠品がねつ造されています(えぇ…)。このねつ造されている証拠品を裁判の再開後に調べ直さないと新たな情報が得られず、解答にたどり着けないのですが、ねつ造があったことを最初から知ってでもいない限り、普通は既に調べた証拠品を再度調べ直す必要があるという思考にはならないと思いました。どうにもこれは結論ありきの部分だと思ってしまいます。

 ストーリーに関しては、裁判の途中から成歩堂が弁護をしている被告人が非常に胡散臭くなり、ねつ造も完全に被告人有利なものであることから、被告人が加担しているという疑いはかなり強いですが、証拠不十分で結局立証できず、真犯人不明のまま被告人は無罪判決となってしまいます。成歩堂としては試験には合格したものの、これで本当に良かったのか…?となってしまう非常にモヤモヤした幕切れです。プレイヤー側としてもアキラカに怪しい人物がいるにも関わらず、決着がつかないで終わってしまうので、微妙な感情になってしまいました。

 

第4話

難易度   ☆☆☆★★

ストーリー ☆☆☆☆★

論理的展開 ☆☆☆☆★

 

 第3話での無罪判決により、英国で弁護士としての留学を認められることになった成歩堂。ヴォルテックスから新たな課題として殺人未遂事件の弁護の依頼を受けます。容疑者は日本人留学生の夏目漱石、現場には被害者と容疑者しかおらず、漱石自身もそれを認めていることから絶望的な状況から調査を始めていくという始まりです。

 第4話にして遂に調査パートと裁判パートの2部構成になります。ここからいつもの逆転裁判って感じですね。アイリスちゃんもここから本格的に参戦になります。調査パートは指示に従っていれば良いだけなので何も難しい要素はないです。ここで得た情報や共同推理で解決したことは一見ここだけの話なのかと思いがちなのですが、巡り巡って裁判パートの最後の方で大事になってくるというのもいつもの逆転裁判らしくて個人的にはすごく好きです。(自分はこのことに全然気がつかなくてめちゃくちゃ間違えましたが…) 裁判パートもいつもの逆転裁判っぽい感じがありました。とりあえず可能性を提示して(真相かどうかは関係無しに)、審理を引き延ばすってのは成歩堂一族の十八番ですね。

 ストーリーに関しては、単話完結の事件であり、論理的にもすっきりする手順で真相が明らかになっていってるのがよく分かる構成だったので非常に良かったですね。ただ、最終弁論(陪審員全員が有罪の票を入れた時、弁護側に最後の説得の機会があるという制度です)を2回もする展開に関しては最終って名前なのに何回もやって良いんだとはなりましたね。プレイヤーの関与できる部分ではないので、そういうもんだと言われたらそうですかと言わざるを得ないですが…

 

第5話

難易度   ☆☆☆☆☆

ストーリー ☆☆☆★★

論理的展開 ☆☆☆☆★

 

 第4話から2ヶ月経過し、成歩堂はロンドンのホームズ邸の上の部屋を間借りする形で事務所を開いています。第3話で証人として登場した縁から成歩堂たちと顔見知りになったスリの少女ジーナが再登場し、話に大きく関わってきます。序盤の調査パートでは、ホームズがよく利用するホームズ邸の隣の質屋での出来事についての話です。ジーナが質草のコートを引きだそうとしますが別の客が表れ、それは自分のものだと主張してきます。この店では預かり証には預け人の名前は書かないキマリであったため、どちらが本当の持ち主なのかということでもめる展開になりますが、ホームズとの共同推理で解決します。アイリスは父ジョン・ワトソンが過去にホームズと共に解決した事件の記録を元に「シャーロック・ホームズの冒険」という小説を書いているのですが、「バスカビル家の犬」を書き上げた際にホームズに今はまだ出版してはいけないと言われ、昼に訪れた質屋に原稿を預け、保管してもらうことになったという話をその日の夜の雑談でします。それを聞いたジーナはホームズは嘘をついていて、本当は原稿を処分してしまったに違いないと言います。その日の深夜、質屋の様子がおかしいことに気づいたホームズは成歩堂、寿沙都と共に質屋に向かいます。暗がりの中で怪しい人影を見つけた瞬間、銃声と共にホームズは撃たれ、怪しい人物は逃亡、質屋の奥の保管庫からは密室状態で店主の遺体と気絶したジーナが発見されるといった展開です。

 最終話というだけあってボリュームがあるのもいつもの逆転裁判っぽい感じです。第3話での事件が密接に関わっており、調査・裁判の過程であの事件で明かされていなかった真相が分かってくるのですが、ジーナが第3話の被告人に脅されて偽証をしたことやその他隠されていた事実が判明するのは面白かったです。一方で第3話の茶番っぽさがより加速してしまう訳ですが… 陪審員含めて、多くの人物が事件・裁判に関連してくるのは最後らしいと思いました。あとは探偵パートでのホームズの冗談交じりの雑談・たわい事が実は事件を考える上でのヒントであったりするのは、注意深くプレイすると気づくちょっとしたお楽しみ要素だったりするのも良かったです。証拠品で2つの写真を用いて立体視の原理を使うものが出てくるのですが、逆に初期版の3DSの要素の名残があるせいで、何が始まったのか最初は全然理解できなかったです。(本来は3DSの3D機能を使う必要があるのですが、もちろん、他ハードではできないので立体視後のイメージ図が提示されますが…)

 ストーリーに関しては第3話の真実が明かされるのは良いんですが、最終的に明かされなかった大きな謎がいくつもあるのはかなりモヤモヤしてしまう印象です。発売当初はこれで、1作でキレイに完結すると思っていたユーザーからかなり反感を買ったというのはしょうがない気はします。シンプルに終わってないんで。難易度としては個人的には歴代の最終話と並び立つくらいのレベルの難しさだと思いますが、真犯人を追い詰める推理の方向が、最終的に殺人の立証ではなく、偽証のために裁判中に刑事と取引をしたことの立証となっていくのは、難しいというよりもそれが正解でいいんか?という気はしてしまいました。

 

 

全体の総評・まとめ

 ここまで各話についての感想でした。全体として言えるのはとにかく完結してないせいでモヤモヤしてしまうという点に尽きると思います。歴代シリーズでシステム・新要素等々での賛否はあったと思いますが、そういうレベルの話じゃないというのは反感を買ってもしょうがないと思ってしまいます。とはいえ、続編での纏め方が余りにも面白くて1&2全体だと高評価に一転したというのはあるので始めから2作で分割って言っておけば良かった気もするんですけどね。あとは自分はSwitchの移植版をプレイしていたこともあり、要所に挟まるムービーのアニメーションの質が3DSのままだったのが目立っていたのが気になってしまいました。これPS4とかだと画質いいハードだともっと顕著になってる気はしますね。逆転裁判シリーズと言えばBGMも名曲揃いで、「追求」や「異議あり!」といった曲は有名ですが、この作品で一番好きなのは亜双義のテーマでしたね。本当にかっこいい曲なので、ゲームやっていなくても聴いてみて欲しいです。

 というところで、大逆転裁判1については一区切りをつけてスッキリできたので、2の方も進めていきたいと思います。今週末には月姫リメイクも発売で完全に渋滞を起こしていますが気長にやっていきたいと思います。