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プランダラ学会論文 第二稿

プランダラ学会の皆さんお待たせしました。どうも、ルビジウムと申す者です。

前回、プランダラアニメの補足解説という内容で論文を提出しましたが当然アニメの続きの内容が気になる学会員の方もいらっしゃるかと思います。という訳で今回は原作10~11巻について自分の方からアニメのみ勢の方にもそれとなーく伝わるような感じで内容を紹介していきたいと思います。要はネタバレ記事です。したがって、原作をこれから読む予定のある方は間違ってもこの論文を読まないことをオススメします。

前回の論文第一稿はこちらからどうぞ(地味に画像足しといたんで多少は分かりやすくなったと思います)

rubidium-37.hatenablog.com

 

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↑ところでこいつはマジで誰なんだよ...

 

 

 

 

 

 

ここから先はネタバレを含みます

著作権とかの問題でガチで何か言われたりしたらシャレにならないので画像はほぼ無いと思ってください。なんとか文章で伝える努力をするので(汗)

本題の10巻の前に9巻ラスト部分はアニメオリジナルの改変があったので原作の展開を少し解説。アニメでは完全に道安がヒールのポジションになってしまい、原作に無いブラックホールとか出したりもしてましたが、原作ではリヒトーVS道安の場面でリヒトーがアルシアを堕とすことに対して道安を納得させた展開のあと道安から「楽園の壁」の説明をされ、そこに2ヶ月前にAクラスの連中が入っていくのを見たと告げられる場面で9巻は終わります。「楽園の壁」とはオリジナルバロットの議決で過半数の承認を得たものしか入れないようになっている特務の本部の奥にある謎の場所です。当面はオリジナルバロットを過半数集めて、この「楽園の壁」の先を目指すことになるという展開です。

 

ここからは10巻以降の内容を解説しますが、序盤はアニメ最終話のBパートの内容となっているのでその辺りも含めて大筋を追っていきたいと思います。

プランダラ (10) (角川コミックス・エース) | 水無月 すう |本 | 通販 ... f:id:rubidium-37:20200718205114p:plain

10巻 第36話(アニメ最終話Bパート)

・リィンちゃんが目覚め、リヒトーにフラれたことを認識。それに怒るホムホゥの住人たちはリヒトーをボコボコにしにいく。

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・八百屋のオバハンがジェイル中尉に話しかけ、ジェイルのよくリィンが危ないと分かったなという問いに対し、女の勘と答える八百屋のオバハン。そこでジェイルは幼い頃アレク総司令の補佐として八百屋のオバハンとそっくりな人物が働いていたことを思い出しその正体に気づく。八百屋のオバハンはお互い軍を抜けた違法所持者(バロットホルダー)だから不要な詮索は無粋と釘をさす。

・ペレがリヒトーになぜ自分がリィンの手術ができると分かったのか尋ねるシーン。リヒトーに「君は何があってもリィンちゃんの味方だ」と言われ、ペレは剣を納める。

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・ペレとリィンちゃんのイチャイチャシーン。明らかにペレが序盤とは別人のような感じなので流石にこれは何かあるだろと気づきますね...

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10巻 第37話

・トイレで用を足すリヒトーに子作りを要求する陽菜ちゃん。いつからそんな頭のおかしいキャラになってしまったんでしょうか...

・これからの方針の話し合い。オリジナルバロットを過半数集めて「楽園の壁」の先を目指すことに。リヒトー的には道安の見た死んだはずのAクラスメンバーが気になる様子。特務のオリジナルバロットは誰が持っているか不明のため、王都のオリジナルバロットを手に入れる方向に。

・リヒトーとジェイルは女装してハニートラップで門番をたらしこんで王都に侵入。

・王都の宿で陽菜がリヒトーに対し、300年の間にシュメルマンが変わってしまったことの違和感について聞く。シュメルマンの過去からシュメルマンの優しさは間違いなく本物だったとリヒトーと陽菜は再確認する。

以下、リヒトーによるシュメルマンの過去回想

シュメルマンは父に捨てられ自暴自棄になっていた母親から虐待されており、ある日母から目をくり抜かれかけて逆に母を殺してしまった。その後、施設を経て軍に入ったシュメルマンは妻と子を成し、子供に絵本を読んであげるという夢を持ち、そうすることで幼い頃の日々を取り戻せる気がしていた。しかし、シュメルマン夫婦には子ができず、思い詰めたシュメルマンの妻は自殺してしまう。後に子ができないのはシュメルマン本人に原因があり、産まれつき子が成せない体だったとのこと。その話を聞いたリヒトーはシュメルマンのことを父と呼び、後に養子となる。

・ナナは今度はジェイルのことを意識している様子。(自分のことを「うわきもの」と言っている。)

 

10巻 第38話

・アラン総司令と他の軍幹部3人が国王シャルルのもとに集められ、シャルルは特務がアラン総司令が持つ王都のオリジナルバロットを渡せと要求していることを告げる。シャルルは大人しく渡すべきと主張。(アニメではシャルルは出てきていませんがこの議論の内容は20話でされています。)

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雷帝」ライトニングはシャルルの意見に賛成。アルシングの全会一致による浮遊大陸の維持は定期的に可決しなおす必要があるものの何者か(犯人は月菜(陽菜ママ))によってオリジナルバロットの1つを紛失したことで5年間全会一致による再可決ができていないことから楽園の壁の向こう側で厳重に守るべきとの主張。

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「風帝」ロベールは反対。1つに集めるべきなら陛下の下で管理すべき。加えて、オリジナルバロットの紛失は特務の失態なのでむしろこちらが特務にオリジナルバロットを要求するべきと主張。

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「水帝」シャロウはロベールに反対。そのようなことをすれば特務との戦争となり軍が疲弊。万一アルシアが落ちたときのアビスとの戦争に支障をきたすと主張。

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・シャルルは3人の意見の対立にうんざり。難しいことは特務やアランたちで勝手にしてくれとし、大人しくオリジナルバロットを渡して欲しいとアラン総司令に告げる。それに対しアランはアルシアはアビスから資源を奪って成り立っており、この世界は間違っていると言う。ぶちぎれたシャルルは他の幹部を下がらせ、アランを説き伏せる。

・だが、シャルルの一連の行動は全て演技。幼い頃に両親を亡くしたシャルルを周りは腫物扱いする中、唯一子供として接してくれたアラン総司令のことをただ一人の味方だと思っている。

・シャルルの本心は今すぐバロットを紛失したことにして特務に渡さないこと。奪われたことにした方が都合がいいとし、「閃撃」の撃墜王に預けろと指示。シャルルは特務がアルシアを乗っ取る気だろうということを危惧。しかし、今戦争を起こせば民が苦しむことになるため、それは避けなければならないと考えている。

・あと5年でシャルルが14歳になり結婚ができるようになったらアラン総司令がシャルルの婿となり新たなアルシアの王となれば王政は盤石となり特務の力を削げるというのがシャルルの筋書き。そうしたらアルシアのみならずアビスの民も救えると考えている。それまでは特務に都合のいい愚帝を演じるつもりとのこと。

・アラン総司令は陛下が大人になって周りが子供の戯言と侮らなくなれば自分は必要ないだろうと思っている様子。

・アラン総司令にウエディングドレス姿を見せようと着替えてるシャルル。しかし、特務の工作員により銃撃され、シャルルが暗殺されてしまう。

・アラン総司令は怒りに震え、駆け付けた幹部3人に犯人を生きたまま連れてこいと命令。直後、「風帝」ロベールが他幹部2人を殺害し、アラン総司令に国王シャルルと他幹部2人殺害の罪を着せる。(ロベールは特務側の人間でありアラン総司令がオリジナルバロットを渡さないことを口実に王立軍を解体する筋書きだった模様。実際は王立軍をロベールが乗っ取った形に。) 軍総司令の座を追われたアランは逃亡し、緊急指名手配されることに。

 

10巻 第39話

・騒ぎを聞きつけたリヒトーとジェイル、逃亡中のアランに遭遇。アランから3つのオリジナルバロットを託される。アランのオリジナルバロットを集めてどうするつもりだという問いにリヒトーはわからないからみんなで決めますと答える。今の戦争が無い状態はアルシングが決めたことであるから今度はみんなで選択し、決定するために全会一致の力でアルシング本体を破壊すると宣言。

・アランはジェイルに姿をくらませたジェイル直属の部隊「ゲフェングニス」を集めて王立軍を取り戻し、ジェイルが総司令になれと指示。リヒトーには今持っている代替品のバロット(カウント5700)ではなく特務にある廃棄戦争時のバロットを取り戻せと指示。

・リヒトー達を送り出して単身でアランは王都に残りシャルルの遺体奪還のため特務と戦うことに(ここでAクラスのメンバーらしき人間と遭遇)。

・リヒトーと陽菜ちゃんは2人で特務本部を目指すことに。しかし、道中で特務の工作員に奇襲を受け陽菜ちゃんが傷を負う。陽菜ちゃんの命と引き換えにオリジナルバロットを要求されたものの、直後地面が崩れアビスとの境界が開く。リヒトーは誰かが上がってくることに気づき、その姿を確認したところ300年前に死んだはずの「瞬撃」の撃墜王・時風であった。

 

11巻 第40話

・時風との感動の再会とはいかず、陽菜ちゃんを特務の工作員(前述)に人質に取られ、時風を今度こそ殺すように強要されるリヒトー。必ず自分がなんとかするから動かないでくれと懇願するリヒトーに対して時風は「もう動いた」と告げ、特務の工作員を一瞬で葬る。

・時風はリヒトーに抱き寄り、リヒトーは後悔と謝罪の念を繰り返し時風に告げる。しかし、時風はリヒトーの懐から3つのオリジナルバロットを奪い取り、リヒトーにアルシアを落とす気なのかを聞く。リヒトーの肯定の回答に対して、時風は「なら離人、お前は僕の敵だ。アルシアは...落とさせない...!」と言い放ち、リヒトーに攻撃。同時にアビスから大量の戦闘機を送り込みアルシアへの攻撃を開始。特務の工作員から奪った無線機でシュメルマンに対し、アルシアはアビスの民がもらい受けると戦線布告。おまけに陽菜ちゃんをアビスに連れ去り、止めようとしたリヒトーに重症を負わせ「大切な人が奪われればお前も気づく、心に残るのは復讐のみだと」と言い残しアビスへと帰還する。

 

11巻 第41話

・アビスに連れてこられた陽菜ちゃん。時風はリヒトーの前では陽菜ちゃんを飢えで殺すと宣言していたが、実際は傷の手当てをし、食事と寝床を与えてくれる。

・アビスの民は子供ばかりであることに気が付いた陽菜ちゃんに対し、「お父さん(時風)以外の大人はほとんどいないよ、そういう決まりだから」と教えてくれるアビスの子供たち。

・時風の意図が分からない陽菜ちゃんだが、自分が時風の子供であるという事実は交渉の上で最後の切り札と判断して隠しておくことに。

・翌日、時風に見せたいものがあると言われた陽菜ちゃん。ついていくと火口とその近くにたくさんの墓があり、アルシア創造の際に地殻が持ち上げられ火口が噴出し、その熱によって核戦争後の寒冷化をしのぐことができたと説明される。

・そこに赤ん坊を連れた一組の夫婦が現れ、時風に乳離れしたと告げる。何が起こるのか怪訝な表情の陽菜ちゃんをよそに時風は「最期に腹一杯...何か食べないか...?」とたずねるもののその分を赤ん坊へと断る夫婦、「何か...あの子に遺したい言葉は...?」とたずねても両親の思い出などあったら悲しくなるだろうからとこれも断る。直後、刀を取り出そうとする時風に気づき、制止に入る陽菜ちゃんだが当然止められるはずも無く時風は夫婦を斬る。

・時風を糾弾する陽菜ちゃんに対し、やりたくてやっている訳がないと激昂する時風。一番古い墓を指し、あれはAクラスのみんなの墓だと言い放つ。アルシア創造の日にリヒトーに斬られ、2年間もの間生死をさまよっていた時風だが、その間にAクラスのメンバーは置いていかれた人間を集めて何とか生きようとしていた。だが、オリジナルバロットの議決内容のせいで食料はアルシアに奪われ続ける一方であり、体力の無い子供から餓死するようになった(時風は撃墜王の手術の影響か何かで何も食べなくても餓死で死ぬことは無かったとのこと)。そして、303年前の12月24日にAクラスのメンバーは口減らしのために火口に身を投げ自殺した。他の大人たちも子供のために命を絶つようになり、アビスでは子供を作った大人は赤ん坊の乳離れが済んだら自殺するのが慣例化したとのこと。しかし、死の恐怖に抗えない者も当然いるためそういった人々は時風に殺してくれるよう頼むようになったという。

・圧倒的な食糧難で現実的にはアルシアかアビスどちらかしか救えない現状に対し、時風はならばアビスの子供たちに腹一杯食べさせてやりたいと語る。そのためにリヒトーとも殺し合うのかという陽菜ちゃんの問いに対し、「幸い...慣れている、僕のカウントは愛する者を...斬った数だ...」と時風は言い残す。

・具体的な帰還方法が見つからないまま1ヶ月が経過したものの、陽菜ちゃんが元々持っていたオリジナルバロットの1つは依然陽菜ちゃんの手元に残っており(地中に埋めて隠している)、時風の過半数を阻止するためにも帰還したい陽菜ちゃん。

・子供たちに時風が出かけているからナイショでママに会わせてあげると言われ、疑問に思った陽菜ちゃんはついていくことに。案内された工場にいたのはかつて陽菜ちゃんの目の前で「アビス送り」になったペルモ(原作2巻・アニメ6話参照)であった。

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11巻 第42話

・同じ頃、アルシアでは暫定的に総司令となったロベールとアラン前総司令の補佐官であったエリンが会話中。ロベールは何故シュメルマンは300年間アビスから食料等の資源を一部しか奪わなかったのか理解に苦しむとつぶやく。

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↑エレンはアニメ20話にちょっとだけ出てます

・アビスではペルモが「アビス送り」になった後のことを陽菜ちゃんに語り、アビスでは空を飛ぶ研究がいくらでもできるのに加え、それを分け与えることに利用できれば選民をしなくても済むのではないかと語る。

・ペルモはアビスに残ると陽菜ちゃんに伝え、一方で陽菜ちゃんはリヒトーのもとに帰る必要があることを理解し飛行機を飛ばして送り届けるという。その前に地面に埋めたオリジナルバロットを回収しに行く陽菜ちゃん。

・アルシアではエリン補佐官が独り言のように誰かと会話している様子。リヒトーが持っているオリジナルバロットは3つではなく4つのはずと会話相手に伝えたところでロベールに見つかってしまう。エリン補佐官のカウントは大切な人と繋がりたいと願った数で能力はいつどこにいても誰とでも会話できるというもの。しかし、機密保持の関係上軍総司令の命令の伝達以外では使用が禁じられている。ロベールが命令を出していないにも関わらず能力を使っていたことから誰と会話していたかを問いただすロベール。

・アラン前総司令のことを慕っており、アランを取り戻すためであればどんなことも厭わないというエリン補佐官。アルシア全土への通信をつなげ、準備は整ったとアビスの王・時風に告げる。

・エリン補佐官の情報を受けリヒトーが持つ4つ目のオリジナルバロットは陽菜ちゃんが持っていることに気づいた時風は陽菜ちゃんの回収より一足早くオリジナルバロットを見つけてしまう。

・陽菜ちゃんにアルシングの開会に必要なものは何だと思うとたずねる時風。300年前のフィレンダ少尉とアラン大佐の会話から学校にアルシングの本体が隠されているとわかっていたがそのような重要なものを数人の将校と訓練兵しかいない場所に保管するはずがないとの推測。本体についての情報は敵に開会方法を悟られないためのダミーであり、本体などは最初から存在せず本当に必要なものはアルシングの適合者(ここではシュメルマン)の遺伝子であるという結論に辿り着いていた時風。通信先のシュメルマンに向けて撃墜王にするために自分に遺伝子を注入したのは失敗だったなと言い放ち、アルシングの開会をアルシア全土に向けて宣言する。

プランダラ 11巻 感想』“アビスの怪物”宣戦布告!:水無月すう ...

 

11巻 第43話

・オリジナルバロット所持者(時風4つ、シュメルマン3つ)によるアルシングの議論。

①今日よりアビスは食料資源の全てをアルシアに献上しなくて良いものとする

 賛成4(時風4):反対3(シュメルマン3)

→アビスでの餓死は劇的に減り、アルシアの大多数は餓死するとの時風の見立て。

②カウント無き者(カウント0となった者含む)のアルシアの入国禁止(いわゆる「アビス送り」)を撤廃する

 賛成7(時風4、シュメルマン3):反対0

→「国境」を取り払い現代兵器をもってアルシアへ侵攻するという時風の意思表示に対し真っ向から受けて立つつもりのシュメルマン。しかし、シュメルマンとしても戦争は本意では無いとし、アビスの民のためにアルシアに特区を作り食料を優先的に回すという形で手を引いて欲しいと述べるシュメルマン。時風は300年前、シュメルマンたちを信じた結果裏切られ、この現状になったと怒り、シュメルマンを信用しないと言い放ち3つ目の議題に突入。

③核の永久放棄を破棄する

 賛成4以上(時風4):反対不明(描写が無いため)

核兵器の起爆ボタンをシュメルマンに見せつけながらこの議題を時風は可決。ボタンを押すのを止めに入った陽菜ちゃんは時風に自分の母の名前と共に止めてくださいと告げる。しかし、時風はわかっていると陽菜ちゃんに言い、核兵器のボタンを押す。幸い大気圏外で爆発させただけの威嚇だったものの、明日以降のアルシア侵攻に抵抗すれば何千発もの核兵器を撃つ用意があると脅して、アルシングを閉会する。

・時風は陽菜ちゃんにリヒトーのもとに帰っていいと告げる。母の形見だからと陽菜ちゃんはオリジナルバロットの1つを時風の手から奪う。時風は月菜はアルシングの研究において最も重要な科学者であり、300年前、時風と暴走したリヒトーの争いに割って入り、リヒトーに斬られた際に脳が完全に死ぬ前に冷凍保存され、300年経って蘇生技術が確立して蘇生されたのだろうと推測を陽菜ちゃんに話す。月菜はどうしているか陽菜ちゃんにたずねた時風に5年前に「アビス送り」になったと答える陽菜ちゃん。(アビスの現状を鑑みて時風はもう月菜は死んでいるだろうことを察している。)

・オリジナルバロットを返すよう頼む時風に対して陽菜ちゃんはそれでも構わないがそれなら自分と共にリヒトーのもとに帰り、みんなを救うために一緒に戦ってと感情を爆発させる。それを受け時風は陽菜のオリジナルバロットを諦め去ってしまう。

 

長々と11巻までの大筋を説明しましたが本論文での大事な要素は大きく2つです。

1つ目は300年前に死んだとされていた時風が生きていたということ。まぁ、アビスで十分な資源が無い中で時風が生きているとは作中のアルシア人は誰も思っていなかったわけなのでこれについては後付け感あって、アニメのみ勢の学会員の皆さんも納得できないかもですがこれは無理矢理にでも納得してください。

2つ目は陽菜ちゃんのお母さん、月菜のことです。300年前、暴走したリヒトーと時風の争いに割って入り、リヒトーに斬られたというのはアニメでも少し触れられていましたがアルシングの重要な研究者だったってのは初出の情報ですね。重要人物だったので特務が無理矢理にでも生かそうとしたのでしょう。(蘇生技術については詳細は触れられていませんが今後の巻でアルシアでの科学技術は失われたわけではなく特務等の一部では継続して発展している描写がなされているため、真の技術レベルは現代から普通に300年経ったものと同等レベルと考えていいと思います。)

しかし、仮に作中で述べられているとおり月菜が蘇生技術によって蘇ったことが正しいとするならもう一つの重大な問題にぶつかります。そう、プランダラ学会でも再三論じられてきた「陽菜ちゃん300年間お母さんのお腹の中にいたのか問題」です。月菜の脳が完全に死ぬ寸前に冷凍保存したのはいいとしてもその状態でお腹の中にいた陽菜ちゃんは本当に無事で済んだのでしょうか?しかも、月菜はアルシング研究の重要人物だったので生かす理由はあるとしてもお腹の中の赤ちゃんの陽菜ちゃんまで生かす理由は特務には全くありません。月菜の蘇生後に陽菜ちゃんの蘇生は残念ながら無理でした~と言えば終わりですからね。あと、月菜は作中の5年前に特務からオリジナルバロットを持ちだして出奔したと推測されていますが流石にその時には陽菜ちゃん産まれてるんですよね。なのに陽菜ちゃんは特務のことはおろかこの世界のこと何にも知らなかったわけですし、月菜自身は時系列的にオリジナルバロットを盗み出した後、比較的すぐに「アビス送り」になってると推測されるんですよね。これ、陽菜ちゃん特務にとってなんか都合の悪い記憶消されてたりしない?(あるいは隠してるか) いずれにしても月菜の蘇生に関してはまだ何かありそうな感じがします。

 

という訳で今回の論文での原作10~11巻の解説で明らかになったことはあまりありませんでしたが、引き続き今後の論文でアニメで残された問題を色々と明らかにしたいと思っています。次回は原作12~13巻の予定です(いつ投稿するかは不明)。あと8月末に原作16巻も発売らしいのでそっちも楽しみにしてます。

では次回の論文でまたお会いしましょう。Forever Plunderer~♪